営業がうまい人の営業法は参考にならない・・・

かつて僕は飛び込み営業をして新規取引先を開拓する仕事をしていたことがありました。

飛び込み営業・・・

毎日毎日心が折れそうになりながら、必死で仕事をしていました。
その苦しみから少しでも逃れるために、営業の本を片端から読みました。

そこで分かったことが3つあります。

一つ目。営業がうまい人の営業法は参考にならないものが多い、ということです。

本を読むと「私もかつてダメ営業マンでしたが・・・」

とは書いてはあるのですが、その「ダメ」のレベルが当時の私の「ダメ」から比べるとはるかに高かった、ということと、あまりにも個人の能力に依存しすぎているので、再現するのが難しいものが多かったです。

特に営業トーク系は、ほとんど職人芸だと思いました。

ワークショップ形式のセミナーや直接手取り足取り教えてもらうのであれば、また結果は違ったのかもしれませんが、本を読む限りでは、自力でその人のノウハウを再現するのは無理です。

そして、もう一つわかったことがあります。

口下手営業マンの営業は参考になることが多かったということです。

特にハガキやニュースレターといった、フォロー系のツールです。

これは今も弊社の会社の仕組として取り入れさせていただいています。しかし、これにも当時の私の状況では活かせない弱点がありました。

それが3つ目の気づきなのですが、営業マンが書いた本で教えている新規顧客獲得ノウハウは、紹介・テレアポ・飛び込み営業のノウハウがほとんどです。それ以外は基本的にお客様と対面してからどうするのか?ということが書かれています。つまり・・・

【お客様が全くゼロの状態から、どうやって見込客を探すか?】

という視点は、ありません。

著者や講師が、何を前提として話を組み立てているのか?

ぜひあなたもそういった視点で本やセミナーを読んで見てください。

見込みのお客様がいて、しかもそのお客様と会えることを前提としていますから、内容が

・名刺(の作り方と、その渡し方)

・好かれる営業(態度やトーク)

・効果的なプレゼンテーションの技術

という感じのものが、ほとんどです。

私が今まで読んだ法人新規顧客獲得の本では

新規開拓は紹介・テレアポ・飛込営業以外のノウハウは、ありません。

あとは新規開拓とは書いてありますが、

既に見込みのお客様がいていつでも連絡できる状態であり、

しかも会ってもらえることが前提で書かれています。

顧客リストがあり、これからもお客様の方から来ていただける、

あるいは会社が見込み客を集めてくれる、というのであれば、役に立ったと思うのですが、当時の私は、そんな段階ではありませんでした。

なので、残念ながら役に立たなかったのです。

当時の私がやっていたのは、顧客リストゼロ、営業経験ゼロ状態から始める顧客獲得でした。

リストも何もないからこそ飛び込み営業をしてたのです。

独立開業した人と全く同じ状況だったのです。

本を読み進め、自分でも実践を積み重ねていくうちに、顧客リストゼロの状態から見込客を集める方法は、「マーケティング」とか「集客」と呼ばれる分野だったことに気づきました。

今にして思うと、あの頃あの会社で、ゼロから取引先を開拓することを学ぶことが出来たのは本当に「ラッキーだったな」と思い、感謝しています。

しかし、二度と絶対に戻りたくない時代です。

私はこの時代を「暗黒時代」と呼んでいます・・・。

本当に心底辛い時代でした。