コロナ禍が続き、売上が思わしくないお客様も多いかと思います。
この記事ではコンサルタントの方に向けて、「お客様が個人事業主の場合、事業再構築補助金を申請できるのか?」について解説いたします。
事業再構築補助金の仕事に慣れていないコンサルタントの方は、記事の後半もお読みください。基本事項をわかりやすくまとめております。
お客様の経営を安定させられない。苦しいですよね。
事業再構築補助金も最大限活用し、近い将来、お客様と喜びを分かち合いましょう!
個人事業主の方ご本人でも非常に役立つ内容となっております。是非ご一読ください。
Table of Contents
個人事業主も事業再構築補助金の対象(中小企業等に含む)
コンサルタントの菅原です。コロナ禍でお客様の売上が厳しく…。
個人事業主の方でも事業再構築補助金を申請できるでしょうか?
申請可能ですよ。全く問題ありません。
個人事業主も対象と明記されている
個人事業主は事業再構築補助金の対象です。他の中小企業(法人)と同様であり、特に区別せず同じルールに従って補助金が交付されます。
個人事業主も法人も同じルールに基づいて手続きし、審査されます。
もちろん、手続きの必要書類などは異なる場合があります。
しかし、事業再構築補助金事務局のHPには、対象は「中小企業等」と書いてありますが…。
大丈夫です。
わかりにくいですが、事業再構築補助金の概要(第7版、令和4年3月28日)に「個人事業主」の文言が明記されているんです。
コロナの影響で厳しい状況にある中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合等を対象とします。
引用:事業再構築補助金の概要<2ページめ>|事業再構築補助金事務局公式HP
そもそも個人事業主は中小企業者に含まれる
そもそも中小企業法でいう「中小企業者」には、個人も含まれます。
行政機関が「中小企業」と言っている場合には、個人事業主を含むかどうか気をつける必要があるということです。
(中小企業者の範囲及び用語の定義)
・・・資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて・・・
引用:中小企業基本法 第2条1項|e-Gov法令検索
専門家でない一般の方には、なかなかわかりづらいでしょうね…。
ホームページはわかりやすくしてほしいものです。
【特殊事例】こんな場合は対象になるのか?
法人から個人事業主に移行したお客様や、個人事業主から法人成りしたお客様の場合に、補助金の対象となるかどうかを解説いたします。
法人から個人事業主になった場合
直近で法人から個人事業主になった場合は、残念ながら原則対象外となります。法人から個人事業主に移行したことが証明できないためです。
ただし、2020年3月31日までに個人事業主になった場合は、新たに創業した企業と同様に「新規開業の特例」として申請可能な場合があります。
参照:事業再構築補助金 よくあるご質問|事業再構築補助金事務局公式HP
参照:事業再構築補助金 公募要領(第6回)<7ページめ>|事業再構築補助金事務局公式HP
個人事業主から法人成りした場合
逆に個人事業主から法人成りした場合は、補助金の対象となる可能性が高くなります。
コロナ以前の3ヶ月、売上が落ちた3ヶ月いずれも、個人事業主時代の売上高を使えるためです。
ただし、以下2点の追加書類が必要である点にご注意ください。
必要書類
- 確定申告書の控え(該当の3ヶ月の売上が分かる年度のもの)
- 所得税青色申告決算書の控え(月別売上の記入があるもの)
※青色申告の場合
詳しい情報や白色申告の場合については、以下の公式情報をご確認ください。
参照:売上高減少の確認に係る特例について<2ページめ(オ)>|事業再構築補助金事務局公式HP
参考記事:お客様が審査に受かるポイント【事業計画書】
過去の事例や採択のポイントを、こちらの記事にまとめております。
事業再構築補助金を申請するお客様へのアドバイスや、事業計画書の作成にお役立てください。
【個人事業主】事業再構築補助金申請の基本
コンサルタントは事業計画書の作成などサポートできるものの、申請手続きそのものはお客様にしかできません。
ですが、審査が通るよう支援する身としては、全体の知識も当然必要となります。
この見出しは、初めて事業再構築補助金の業務に当たるコンサルタントの方向けとなります。現在の公募状況や事業再構築補助金の基本的なことを、スペースが許す限りわかりやすくお伝えいたしますので、効率よく学んでいただけましたら幸いです。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金は、売上がコロナ禍で一定の割合減少した中小企業等(個人事業主含む)に対して、コロナ禍以降の社会・経済の変化に対応するためのチャレンジを応援する目的で支給されます。
経済産業省の管轄事業で、中小企業庁が実際に業務を行っています。
いつまでに申請すればよいのか?【現在第6回公募】
2022年5月現在、第6回公募が始まっています。
本記事執筆時点で、申請受付はまだ始まっていませんが、お読みいただいている現在おそらく申請受付が始まっていることでしょう。
締切は6月30日。応募する場合、すぐにでも申請手続きを開始しましょう。
※ 変更等あるといけませんので、必ず公式HPをご確認ください。
【公募期間】
公募開始:令和4年3月28日(月)
申請受付:令和4年5月下旬~6月上旬予定
応募締切:令和4年6月30日(木)18:00
引用:事業再構築補助金 公募要領(第6回)<3ページめ>|事業再構築補助金事務局公式HP
もし、第6回公募に間に合わなくても諦める必要はありません。
現在の情報では、令和4年度にあと2回、公募の予定があるようです。
申請要件を満たす必要がある
補助金は無目的に支給されるものではありません。申請するにあたって、以下の3要件に当てはまっているかを確認しましょう。
3要件(簡略化)
- コロナ禍以前と比較して、売上が減っていること
- 示されている指針に沿った形で、事業再構築に取り組むこと
- 認定経営革新等支援機関(中小企業の経営支援の専門家)と一緒に、事業計画書を策定(これからの事業運営を明示)すること
上記はわかりやすく簡略化したものです。詳しい要件は下記公式サイトをご確認ください。
▼ 個人のコンサルタントで認定経営革新等支援機関になろうと考えておられる場合、こちらの記事内「個人コンサルが認定支援機関になるには」をお読みください。
補助額はいくらなのか?
厳しい経営状況にあって、補助金をいくらもらえるのかは死活問題です。
確実にご確認ください。
枠 | 補助上限額(中小企業等) | 補助率(中小企業等) |
---|---|---|
通常枠 | 100万円〜2,000万円(8,000万円) ※ 従業員数に応じて8,000万円まで上限が上がる。 | 2/3 |
大規模賃金引上額 | 8,000万円超〜1億円 | 2/3 |
回復・再生応援枠 | 100万円〜500万円(1,500万円) ※ 従業員数に応じて1,500万円まで上限が上がる。 | 3/4 |
最低賃金枠 | 100万円〜500万円(1,500万円) ※ 従業員数に応じて1,500万円まで上限が上がる。 | 3/4 |
グリーン成長枠 | 100万円〜1億円 | 1/2 |
補助率は、事業に際してかかった補助対象経費に対して、いくら補助されるかを表します(一定の補助金額を超えると補助率が下がる枠あり)。
詳細は必ず公式サイトにてご確認ください。
参照:事業再構築補助金 公募要領(第6回)<2ページめ>|事業再構築補助金事務局公式HP
個人事業主で応募される方が多いのは、「通常枠」「回復・再生応援枠」「最低賃金枠」になるかと思います。
申請はどのように行うのか?
申請は、こちらのサイトから電子申請で行います(マニュアルあり)。
また、事前にアカウントを取得しておく必要があります。行政サービスを利用するために使う「GビズIDプライムアカウント」です。
個人事業主のお客様に、何か気をつけてもらったほうがいいことはありますか?
アカウント取得に1週間程度かかるため、早めにアカウントを準備してもらったほうが良いでしょう。
コンサルタントの売上安定には、法人顧客獲得を
今回、吹き出しのコンサルタント「菅原さん」は、コロナ禍でお客様の売上が下がってしまいました。
苦しむお客様の経営を安定に導き、共に歓喜する。コンサルタントの醍醐味であるといえます。
一方、コンサルタント自身の経営も安定させなければなりません。
もし一人でコンサルタントをされていて売上が安定しない場合、法人顧客獲得に力を入れられることを、強くお勧めいたします。
まとめ
この記事では、主にコンサルタントの方向けに「個人事業主は事業再構築補助金を申請できるのか?」「申請の基本」を解説してまいりました。
ポイント
- 個人事業主は事業再構築補助金の対象である(事業再構築補助金の概要に記載。また中小企業法2条1項)
- 個人事業主の申請方法やルールについては、法人と同様(提出書類等は異なる)
厳しい状況にあるお客様が、審査に通りますようお祈り申し上げます。
また、コンサルタントとして法人顧客を獲得されたい場合は、是非弊社にご相談くださいませ。