「中小企業診断士って人気の資格らしいけどどういう資格なの?」
「経営コンサルとして独立したいけど不安だなあ」
という人のために、今回は中小企業診断士とはどんな資格か、資格取得から独立までの流れ、どうやって仕事を獲得していくかまでわかりやすく解説していきます。
この記事を最後まで読んでいただければ、経営コンサルとして大活躍の未来が待っているかもしれません。
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【中小企業診断士】独立までの流れ
やっと診断士になりました。
独立してバリバリ仕事をしたいのですが、何からやればいいのでしょうか?
せっかく中小企業診断士になっても活かすことができなければ意味がないですよね。
ここからは独立した際に準備する際の手続き、資金準備と仕事の獲得について解説していきます。
手続き
個人事業主として独立する場合の手続きは主に以下のようなものです。
「開業届」
「国民年金」
「国民健康保険」
開業届は開業日から1カ月以内に管轄の税務署に提出しましょう。「青色申告承認申請書」も一緒に提出するとよいでしょう。
「国民年金」「国民健康保険」の手続きは居住する市区町村役場にて行います。
資金
資金は主に3つあります。
設備資金
設備費用としてはパソコンやデスク、プリンターなどがあれば活動することは可能です。
必要に応じて営業用の車を準備するのも良いでしょう。
さらに自宅を事務所として利用すれば家賃も必要ありません。
運転資金
独立してからすぐに軌道に乗る人は少数に限られるでしょう。
独立後今までの人脈を駆使しすぐに売上が上がれば良いのですが、2~3カ月は売上がない可能性があるということを考慮し当面の生活費分を準備しておくと良いでしょう。
中小企業診断協会の加入費用
中小企業診断士協会に入会するためには、入会金約3万円、年会費約5万円を支払う必要があります。
中小企業診断協会は約1万人が所属する中小企業診断士の団体です。
入会することにより研修会への参加ができる、中小企業診断士の人脈ができる、仕事に繋がる可能性があるなどのメリットが考えられます。
上記の年会費などの費用と、入会することのメリットを考慮しながら入会を検討すると良いでしょう。
以上が主に必要な資金となります。
上記のように中小企業診断士として独立するためのコストは他の業種と比較すると比較的低コストで済みます。
独立する際はなるべく借入しないことをおすすめします。
万が一独利後、しばらく売上がないと無理して仕事を獲得しなければならないような状況になってしまうなどのデメリットも考えられるからです。
出来る限り、独立前にお金を貯めておくなどしておくと良いでしょう。
仕事獲得
ここまできたら、あとは仕事獲得のために他者との差別化、そして人脈を形成していく動きをしていきましょう。
差別化
中小企業診断士は2017年のデータでは約2万7千人います。
その中でお客様から「あなた」を選んでもらうための付加価値が必要になります。
つまり自分が他の中小企業診断士と比べて何が強いのかを明らかにしなければ、顧客を確保し続けていくことは難しいでしょう。
例えば差別化の方法には、自分の専門分野を誰にも負けないぐらい詳しくなるなどの方法があります。
上記とは別のアプローチとして、中小企業診断士とは別の資格を取得し専門分野以外の強みを持つのも有効でしょう。
人脈形成
当然の話ですが、仕事をするには顧客の確保が必要です。
そこで人脈を広げていく方法も考えておかなければなりません。
- 知人から紹介をもらう
- 金融機関とのパイプを作る
- 異業種交流会への参加
- ロータリークラブなどの経営者の団体に所属
どの仕事にも共通することですが、顧客と取引をする上で大事なことは「信頼関係」です。
たとえ人脈が広がったとしても、顧客から「あなた」にお願いしたいと思ってもらえなければ意味がありません。
そのためにも、普段から関わっている人に有益な情報提供をするなどギブの精神で活動するのをおすすめします。
ギブ&テイクではなくて、ギブ&ギブ。
とにかく与え続けることで信頼を得るための努力が大事です。
「あなた」が仕事をお願いするとしたら、どんな人にお願いしたいですか?という視点をもつといいですよ。
中小企業診断士とは
それでは中小企業診断士とその仕事内容について解説していきます。
中小企業診断士とは
中所企業診断士とは、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則に基づき登録された者を指します。
経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。
この資格を取得することにより、経済学や財務・会計など企業の経営に関わる幅広い知識を横断的に身につけることができます。
独立を目指す人はもちろん、転職や、今の会社でのキャリアアップを目指すビジネスパーソンに人気の資格です。
金融機関では中小企業診断士の取得を推奨しているところもあります。
金融機関では企業へ融資をするため、社長の経営手腕、決算書の読解力などの経営に関する総合的な知識やコンサルティング能力が必要になります。
勤めている企業で中小企業診断士を取得し実務経験を積んでから独立する人は少なくありません。
仕事内容
ここからは、中小企業診断士の仕事内容について説明します。
中小企業診断士には独占業務がありません。
言い換えると、中小企業診断士の資格がないとできない仕事はないということです。
そのため、中小企業診断士の仕事は幅広く多岐にわたります。
以下に3つの事例を紹介します。
公的業務
中小企業センター、商工会議所など、公的機関から業務委託されて行うものです。
主に中小企業の経営者の相談受付や実際に企業を訪問しコンサルティングする業務があります。
民間業務
中小企業に対して行う、コンサルティング業務です。
一口にコンサルティングと言っても、事業計画の策定支援や金融機関からの資金調達支援、マーケティング支援など非常に多岐にわたりますので、自分の得意分野を見つけておくと良いでしょう。
セミナー
企業に対して行うセミナーがあります。
自分の専門分野に関する研修など、情報を発信する業務です。
こちらも自分の専門分野を磨くことで、他の中小企業診断士との差別化を図ることが出来ます。
資格取得の流れ
ここでは中小企業診断士の資格に関して、どれぐらいの取得者がいるのか、試験の合格率や試験日程等を解説していきます。
取得者数
中小企業診断士の資格は5年毎の更新制となっております。
2017年のデータによりますと、約2万7千人の中小企業診断士が登録されております。
登録者数に関しましては、毎年微増傾向にあります。
このことからも中小企業診断士が注目されていることがうかがえます。
試験日程
中小企業診断士の試験は、1次試験、2次試験(筆記・口述)、実務補習・実務従事と3つのステップがあります。
1次試験
最初のステップは1次試験ですが実施日は8月上旬(土曜・日曜)で2日間かけて実施します。
試験科目は7科目あります。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
配点は各100点です。
合格基準は
1.総点数による合格基準
2.科目ごとによる合格基準
の2パターンがあります。
1は免除科目を除く全科目を受験、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率が合格基準です。
2は科目合格基準は、満点の60%を基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率が合格基準です。
2次試験
1次試験に合格したら、次のステップが2次試験です。
2次試験は筆記試験が10月下旬で口述試験が12月中旬に行われます。
中小企業診断士として必要な能力を有するかを判定することが目的です。
配点は各100点です。
合格基準は筆記試験における総点数の60%以上、かつ1科目でも満点の40%未満がなく、口述試験における評定が60%以上であること。
実務補習・実務従事
中小企業診断士として診断実務能力を有するかを実務を通して判断することが目的です。
2次試験合格後3年以内に実務補習を15日以上受ける、もしくは実務に15日以上従事する必要があります。
これをもって初めて中小企業診断士として登録の申請を行うことができます。
合格率
さて、肝心な中小企業診断士の難易度はどうでしょうか。
令和3年度の合格率は1次試験が36.4%、2次試験が18.3%です。
1次試験と2次試験を通して約7%です。
狭き門ですが、だからこそ中小企業診断士を取得する価値が高いと言えるのです。
険しい道のりですがこれらのステップをクリアすることが出来れば、新たな道が開けるはずです。
まとめ
今回は中小企業診断士として独立するための流れと開業準備について解説しました。
- 資格取得するには1次試験、2次試験、実務補習・実務従事を通過する必要がある。
- 独立するための手続き、資金を準備する
- 人脈形成するための活動をする。
- 仕事を獲得するためには、何より顧客との信頼関係が大事
以上のことを参考に活動して頂ければ幸いです。
中小企業診断士として成功を目指してがんばりましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。