「中小企業の経営コンサルタント起業に興味があるんだけど、実際どうなんだろう?業務内容などについて詳しく知りたいなあ。」
このような悩みについてお答えしていきます。
今回、当記事では、中小企業の経営コンサルタントについて、実際の仕事内容をわかりやすく解説していきます。
仕事内容だけでなく、唯一の国家資格である中小企業診断士のことや、コンサルタントとしてゼロからステップするための戦略、といった内容もお伝えしていきますね。
簡単にお読みいただけますので、ぜひご一読ください。
Table of Contents
中小企業における経営コンサルタントの役割
経営コンサルタントの仕事は問題解決であり、企業(クライアント)の抱える経営に関する様々な分野の課題について診断、分析、検証を行い、解決の方向に導くことを責務としています。
上記における、様々な分野の課題とは以下のようなもの。
- 経営戦略
- 財務・会計
- 業務効率
- 人事
- マーケティング
主に、上記5つの分野において、それぞれの分野が抱える業務課題を解決するということが、経営コンサルタントには求められます。以下、それぞれの分野について、さらに掘り下げて解説していきますね。
経営戦略
コンサルタントの経営戦略に関する業務とは、クライアント企業が他社との競争に勝ち残っていくための、基本方針、計画についてアドバイス、改善提案をすることです。
具体的には以下の内容が、経営コンサルタントの戦略に関する業務になります。
- 企業の中長期的な経営計画
- 事業ごとの戦略に関するアドバイス、改善提案
上記の2つがメインテーマとなり、クライアント企業の経営発展の手助けをしていきます。さらには、経営戦略の要素として以下のような知識も必要です。
- 企業経営に関連する幅広い知識
- クライアント企業の属する業界に関することや、社会的な流行の知識
経営コンサルタントには、時代の社会的な流行を押さえておくことも必要ですですので、常に情報にアンテナを張ることが大切になりますね。
経営コンサルタントは、経営戦略に関する知識だけでなく、業界のことや、その時の社会的な流行についてもおさえておく必要があるため、日々の情報収集、勉強が欠かせない。
財務・会計
クライアント企業の財務・会計に関して、最適なコンサルティングを行うことで、以下のような成果をもたらします。
- コスト削減
- 最適な投資のリターン
以下は、財務、会計、それぞれの具体的なコンサルタント業務になります。
財務
- 業務プロセス改善
- 資金調達や投資戦略立案
- M&Aに関するアドバイス
会計
- 会計業務フローの見直しなどによる最
- 会計関連の法規制の動向をモニタリングして対応をサポート
業務効率
クライアント企業の業務に関する問題を発見し、改善のためのアドバイス、支援をおこないます。
具体的な業務改善としては、以下のような流れになります。
- 検討・計画→どのような状態を目指すのか、クライアントと念入りに議論して計画していく
- 現状分析・課題設定→ヒアリングを行い、現状の業務課題を分析する
- 設計→理想とする業務内容について実行のためのプランを設計する
- 実行→設計したプランを実行する
- モニタリング・評価→改善した業務がうまく運営できているかチェック
人事
企業の人事課題を分析し、原因を究明。明らかにした原因に対し、解決策を考え、クライアント企業に提案します。
その後、クライアント企業の経営をサポートし、場合によっては実際の人事業務を代行することもあります。
さらに、人事のコンサルティングにも分野がわかれていて、具体的には以下のようなものがあります。
- 人事組織コンサル→人事制度や組織構造の課題を解決
- 採用コンサル→クライアント企業の採用活動を支援
- 人材育成、教育コンサル→従業員の教育、研修に関する課題を解決
マーケティング
クライアント企業のマーケティングに関する課題を解決します。
マーケティングとは?
商品を売るための仕組み作りのことです。市場調査・商品開発、広報、宣伝などすべて、マーケティングの行動になります。
マーケティング活動は複数の要素からなります。そのため、コンサルタントはまず課題を発見するために、クライアントから多くの情報を聞き取る必要があります。
具体的なマーケティング課題としては、以下のようなものがあります。
- 販売方法の見直し、改善
- 広告、宣伝の見直し
- マーケティング力自体の強化
上記でも書きましたが、マーケティングとは複数の要素からなる、売るための仕組み作りです。
そのため、クライアント企業の課題も多岐に渡りますので、コンサルタントのほうもマーケティングについてかなり精通している必要があります。
経営コンサルタントは常に勉強、向上心が必要
上記で説明した通り、クライアント企業が抱える経営課題はさまざまです。
そのため、様々な課題を解決するためにも、経営コンサルタントは日々の勉強、向上心が必要になります。
コンサルタントという仕事の特性上、こちらが教える先生、顧客が教わる生徒という立ち位置です。この立ち位置を崩さないためにも、専門性を磨くことが重要になります。
以上、ここまで中小企業における経営コンサルタントの役割について解説していきました。
ここからは、経営コンサルタント唯一の国家資格である「中小企業診断士」について、解説していきます。
国家資格:中小企業診断士について
中小企業診断士とは、経営コンサルタント唯一の国家資格になります。
中小企業庁のサイトでは、、診断士について、以下のように説明。
中小企業診断士(以下「診断士」という。)は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。
中小企業診断士制度は、「中小企業支援法(昭和38年法律第147号)」(以下「支援法」という。)第11条及び、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則(平成12年9月22日通商産業省令第192号)」に基づいて、経済産業大臣が登録する制度です。
引用元:中小企業庁
つまり、中小企業診断士とは、中小企業の経営を助けるスペシャリストという位置づけになるわけです。
とはいえ、やること自体は経営コンサルタントと同じになります。つまり、中小企業の経営課題に対するアドバイス、サポートです。
それでも、あえて取得するメリットはあります。以下、資格取得のメリットについて解説します。
中小企業診断士という資格取得のメリットについて
中小企業診断士の資格を取得するメリットは3つ。
- 仕事の質が向上
- 国家資格を持っているという信用
- 人脈が増える
仕事の質が向上
資格の勉強をする過程で以下のことについて学べます。
- 資格の勉強をしていく過程で、経営全般に関する基礎知識
- 経営の診断や解決を導く考え方
経営全体を見る考え方が身につくので、視野が広がり、仕事の質向上につながります。
国家資格を持っているという信用
日本版MBAとも言われており、やはり持っているといないとでは、信用に違いがでます。
単純に経営コンサルタントの国家資格を持っていると聞くだけでも「優秀な人」「まともな人」「ちゃんと教養のある人」とという印象を持たれますよね。
人脈の増加
中小企業診断協会という中小企業診断士のネットワークに加入することができるので、そこから同じ診断士、独立して成功している先輩コンサルタントとつながることもできます。
独立に向けての有効な方法を、同じネットワークの独立成功している先輩からつかむこともできるので、この診断士ネットワークというのはかなり価値があると言えます。
環境で人は変わる
人は環境の力で大きく変われると言われています。診断士のネットワークにて、独立成功している方々と人脈を持ち、近い環境に身をおけば、それだけ自身もステップアップできる可能性が高まります。
中小企業診断士の資格取得、デメリットはある?
これは、人それぞれによって価値観は違うかもしれませんが、中小企業診断士のデメリットと考えられる要素を、3つ解説します。
- 取得までに時間がかかる可能性がある
- 費用がかかる
- 独占業務ではない
取得までに時間がかかる
1年から3年はかかります。これは、資格の通信講座サイトなどのアンケート調査結果からなる平均です。具体的な時間で考えると、取得には「1000時間」必要と言われています。
費用がかかる
実務補習を受けるのに、148600円かかります。
中小企業診断士として登録されるのに、15日以上の実務経験です。それができない環境にある場合、実務補習を受けるという形で、診断士として登録が可能になります。その際に、上記費用が発生します。
中小企業診断士協会に加入する場合、1万~3万程度必要。さらに5年ごとに更新費が3万~5万かかります。
維持費用が万単位でかかるのは、なかなか痛いところではあります。しかし、協会に加入することで幅広い人脈、そこからの仕事依頼などもありますので、このメリットは活かしたいところですね。
独占業務ではない
公認会計士や税理士のように、その資格をもっていないとできない、という資格ではありません。
つまり、診断士の資格をもっているから、この経営アドバイスができる、というわけではないです。
資格を持っていなくても経営コンサルタントとして仕事はできますので、そういった意味での差別化は難しいです。
ここまで中小企業診断士について解説してきました。
ここからは、「ゼロからステップアップするための戦略」についてお伝えしていきます。
ゼロからステップアップするための戦略
ゼロから経営コンサルタントとしてステップアップするには、きちんと戦略を考えることが大切です。
こちらの記事では、コンサルタントして売上を上げていくための根本的な考え方を解説しています。ぜひご覧ください。
コンサルタントは人に教えるのが仕事。なのでまずは自分が実務経験を積み、圧倒的な専門性を身に付けることが大切。そして、自分の知名度を上げていく戦略も考えなければいけないんですね。
コンサルタントは圧倒的な専門性が必要
コンサルタントには圧倒的な専門性が必要です。
コンサルタントは人に教える、ましてや企業の社長、個人事業主相手にアドバイスをするため、実務に裏付けされた質の高いノウハウを提供しなければなりません。
専門性の大切さについては、以下の記事も参考になりますので、よければご一読ください。
まとめ
中小企業の経営コンサルタントの役割、中小企業診断士という国家資格、ゼロからステップしていくための戦略、について解説してきました。
- 経営コンサルタントの仕事は問題解決であり、企業(クライアント)の抱える経営に関する様々な分野の課題について解決の方向に導くことをが責務。
- 経営コンサルタントは時代の流行についても、アンテナを張っておくことが必要
- 先生と生徒という立ち位置を崩さず、どんな質問にも答えられるよう、常に勉強が必要
- 中小企業診断士とは経営コンサルタント唯一の国家資格。
- 中小企業診断士の協会に加入することで、幅広い人脈形成ができる。
- ゼロからステップアップしていくために、きちんと戦略を考える
- コンサルタントは、人に教えられるだけの圧倒的な専門性をもつことが重要
以上になります。ここまでご位置いただきありがとうございました。