「個人事業主として事業を運営してきたけれど、いつから税理士へ相談すべきだろう…?」と疑問に思ったことはありませんか?
事業にかかる費用をできるだけ小さくし、利益を最大化するのがビジネスの基本。では、税理士へ依頼した際にかかる費用はどのくらいで、利益にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、税理士の料金相場と、依頼を検討する際の判断基準、メリットをご紹介します。経理業務に時間がかかりすぎている……と思っている個人事業主にとって、必見の内容となっています。
Table of Contents
税理士へ依頼した場合の料金相場とは?
個人事業主が税理士へ依頼することによるデメリットは、費用の負担という1点のみと言っても過言ではありません。これをデメリットと呼ぶ場合の話ですが……。
しかし実際、売上が少なければ税理士へ依頼するメリットはあまり享受できません。また、現実的に税理士へ支払う報酬を用意できないような事業主としては死活問題でもあるでしょう。
そこで気になってくるのが、税理士へ依頼したときの料金相場。まずは料金相場についてご紹介していきます。
▼以前にもお伝えしましたが、「情報格差は収入格差」です。報酬を払って税理士と契約すれば、経理関連などの情報も入手できます。
税理士報酬は内容によって決まる
税理士へ支払う報酬額は、どのような業務を税理士へ任せるかによって変わってきます。また、会社の規模によっても変わります。企業の規模が大きければ、その分税理士の責任と作業量も多くなるためです。
そして、税理士の報酬は2つに大別することができます。
税理士報酬の2区分
- 顧問料
- 決算料
顧問料
顧問契約を結ぶと、『顧問料』が発生します。顧問料の相場は月3万円です。年間の相場は、36万円。もちろん、税理士によって差がありますし、業種によってもまちまちです。1万円以下のこともあれば、5万円ほどすることも。1万円代の低価格で請け負ってくれるのは、個人事業主の方が可能性が高いです。
また、担当の税理士の立場(代表税理士か、一職員なのか)によっても金額が変わることがあります。
顧問契約によって、どこまでの範囲の仕事内容をしてもらえるかは、税理士によって異なります。以下に顧問契約を結んでやってもらえる業務内容の例を列挙します。
- 税務調査立合い等の税務代理
- 税務申告に必要な書類の作成
- 税務相談
- 記帳代行などの会計業務
決算料
決算は1年に1度なので、それには別途料金が発生することがほとんどです。規模が小さい事業なら10万円くらいから引き受けてもらえますが、顧問料の4~6ヶ月分くらいを目安に考えることができます。顧問料が相場の3万円の税理士へ依頼したとすると、12~18万円くらいが決算料として別途かかることになります。
法人なら、決算書をつくらなければならないけれど…個人事業主でも決算料が必要なのでしょうか?
個人事業主でも青色申告をしているのであれば、『青色申告決算書』が必要です。
白色申告でも、決算のもと税金の計算が行われるから、正確な決算が土台となりますね!
個人事業主は税理士へ依頼をするべき?
税理士へ依頼することをおススメはしますが、実際に個人事業主が税理士へ依頼すべきかどうかは、ケースバイケースです。起業を考えるほど優秀なあなたは、ご自身のケースではどのようになるのかを知りたくて、この記事までたどり着いたのだと思います。
そこでここから、個人事業主が税理士へ依頼するかどうか判断する際に考えるべきポイントについてご紹介していきます。
税理士へ依頼するかどうかの判断基準
個人事業主が税理士へ依頼をするかどうか、判断する際のポイントとして、以下の4つが挙げられます。
考えてみると良いポイント
- どんな業務を外注したいか
- 年間売上
- 開業時期と法人化の予定
- 税理士報酬が許容できるかどうか
どんな業務を外注したいか
そもそもですが、自分の外注したい業務が税理士へ依頼すべき内容かどうかを見極めましょう。税理士の仕事内容は主に以下のようなものがあります。
- 税務署類の作成
税務署や市役所などに提出する書類の作成 - 税務代理
税金の申告や申請・届け出を行う、税務調査への立ち合い、不服申し立て - 税務相談
事業主ごとの相談(一般的な内容は税務相談とは言わない)
自社の求める内容がわかっていないと、いざ、税理士へ依頼するときにも手間取ってしまいますね。
業務内容により報酬も変わってくるので、契約した税理士の顧問料に必要な業務が含まれていなければ、別途料金が発生してしまう可能性もあります。
年間売上
年間売上が1000万円を超えてきたら税理士への依頼を考えるタイミングだと言われています。明確に公表されているわけではないものの、税務調査に入られる可能性が高まると考えられているためです。
年間売上が1000万円を超え2年たつと消費税の課税事業者となるため、そちらも含めた調査がなされるのです。この消費税の確定申告が煩雑なため、税理士へ依頼する方が経理業務の負担が減らすことができるでしょう。
特に個人事業主の場合は、法人のように『経理部』などはないため全部自分でおこなう必要があります。経理業務に追われ、本来の業務に差し障る前に税理士への依頼を検討しておきましょう。
年間売上1000万円以下だから税務調査が入らない、というわけではありません。なかでも、「1000万円まであと少し」の額で数年申告が続いている事業主は税務調査の対象となりやすいかもしれません。消費税の納付義務の有無をきちんと確認するためです。
開業時期と法人化の予定
開業から2年たつ頃に税理士への依頼を検討しても良いかもしれません。前述した消費税の課税対象となる「基準期間」が2年ということだけでなく、開業してから経過する時間が長ければ長いほど税務調査の対象となりやすくなります。必ず3年で税務調査の対象となるわけではなく、5年、10年経っても税務調査がこないこともあります。
しかし、税務調査は最低3年までは遡って調査できるので、このタイミングで過去の申告のチェックも含め、税理士へ依頼することも検討してみてください。2年ほど経てば開業時のバタバタもある程度落ち着いており、考えやすい時期なのではないでしょうか。
また、これから開業する方には、法人化の予定があるか否かがひとつの判断基準となります。
法人化の予定が当分ない場合、最初から税理士へ依頼をするのがおすすめの選択肢です。開業時の書類作成についてサポートが期待できますし、補助金や助成金などの情報も提供してもらえる可能性があります。一方で、開業後に法人化を考えているのなら、法人化するタイミングで税理士へ依頼するのもひとつの選択肢です。
税理士報酬が許容できるかどうか
事業主として、コストについてシビアに考えることは重要な素質です。そのため、税理士報酬が「高い」と判断し、依頼しない選択をすることもあるでしょう。ときには、税理士報酬を交渉により安く済ませようと考える方もいらっしゃるかもしれません。
否定はしませんが、税理士報酬については基本的に『安かろう悪かろう』が当てはまると心に留め置いて交渉してください。税理士だって人間ですから、報酬の値引きによりモチベーションが下がることもあるでしょう。そもそも、税理士はその知識と手間が業務の内容なので、値段に見合った質でサービスを提供すれば問題ないのです。
コンサルを生業としているのなら、気持ちは想像しやすいはず。交渉はくれぐれも慎重に、相手の立場にたって考えてから踏み切りましょう。
個人事業主が税理士へ依頼するメリット
個人事業主が税理士へ依頼した場合のメリットには、以下のようなものが挙げられます。
税理士へ依頼するメリット
- 経理作業の負担緩和で、本業に専念できる
- 経費となるか否か「ケースバイケース」の場合の相談ができる
- 申告や帳簿作成の正確性が担保される
- 資金繰りに伴う書類作成の補助を受けられる
実際、正確性の担保による精神的な安定と、作業負担の緩和による時間面のメリットはとても大きいものです。これらのメリットと予算を照らし合わせてみて、税理士へ依頼するかどうかを決定しましょう。
▼「本業に専念するために、外注できる業務は外注する。」経営者として本業に専念しましょう。
まとめ
税理士の料金相場は顧問料が月3万円、決算料が1回約15万円です。自社の規模や依頼する業務内容、税理士の立場によっても変動します。特に、料金に含まれている業務は税理士によって違いがある場合も。契約前にしっかりすり合わせを行っておきましょう。
税理士へ依頼するかの判断基準として以下の4つをお伝えしました。
- どんな業務を外注したいか
- 年間売上
- 開業時期と法人化の予定
- 税理士報酬が許容できるかどうか
業務内容のすり合わせをするには『どんな業務を外注したいか』をきちんと洗い出しておく必要があります。「費用を抑えたい」と考えることは理解できますが、税理士も人間です。ただの値下げ交渉となってしまい「安かろう悪かろう」の内容で契約するよりも、必要な業務に絞って依頼しましょう。そうすることが、費用を最小化し、利益を最大化することに繋がります。
メリットと費用の折り合いがつけば、是非税理士への依頼を検討してみてくださいね。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。