事業再構築補助金、既に依頼がある方も多いはずです。
しかしこの補助金、他の補助金と比べて申請の難易度が高いことも事実です。
- 調べても意味が分からず挫折
- 手続き書類の作成方法が分からず挫折
申請する経営者の方々は、事業計画書の作成が大きな挫折ポイントとなっています。
今回の記事では、事業計画書を作成するコツを解説し、経営者の方々をどのようにサポートすれば良いのかを解説します。
経営者が感じる事業計画書の壁を壊してみませんか?
こんなあなたにおすすめ記事です
- 企業経営者として、事業再構築補助金の申請に挫折したことがある
- 事業計画書の作り方を知りたい
- 事業再構築補助金を上手くサポートをしたい
Table of Contents
事業再構築補助金|事業計画書の作り方のコツ3選
事業計画書を作るには
- 一貫したストーリー性
- 適切な図解の説明
- 専門用語を多用しない
この3つを意識すると、審査員に理解されやすい事業計画書になります。それぞれを具体的に解説していきます。
①一貫したストーリー性
上記の図の現状説明、分析、事業計画、課題対策、達成見込みの順にそれぞれ解説していきます。
現状説明
事業再構築補助金はコロナの影響が大きかった企業への救済補助金です。
まずはコロナ前とコロナ後でどのような変化が起きたのか、数字で明記しましょう。
さらに、現状のビジネスモデルと新事業のビジネスモデルの比較があると、解りやすい資料となります。ビジネスモデルの枠作りにはビジネスモデルキャンバスのフレームワークを活用しても良いでしょう。
利益を出すための方法は、是非こちらの記事も参考にしてください。
SWOT分析
SWOT分析とは?
自社の強みと弱み、自社を取り巻く環境の良い影響と悪い影響を明確に書き出す分析です。
【強み】
自社の内部的な強み
例:社内教育、専門的な製造技術等
【弱み】
自社の内部的な弱み
例:高齢化、IT化の遅れ等
【機会】
外部的なプラスとなるチャンス
例:同業者の廃業等
【脅威】
外部環境が自社に与える悪影響
例:値下げの激化等
SWOT分析を進めるには、複数意見を集めることで、より精度の高い分析が可能となります。
経営者の方の中には、どうしても自分一人でやらなければならない状況の方もおられます。
そんな時、認定支援機関としての意見を是非織り交ぜてみましょう。第三者の意見を合わせることで、新しい気付きが生まれる場合があります。
事業再構築の内容と必要性
SWOT分析で状況が可視化されることで、新事業の必要性が明確になります。
- 顧客のニーズ
- 新事業のビジネスモデル
- 商品・サービスの内容
誰が、何をどのように販売していくのかを明記していきましょう。
課題と対策
事業には、課題や問題は必ずつきまとうものです。
その課題を軽視せずに、起こり得るリスクを書き出し、どのように乗り越えていくのかを明記しましょう。
達成見込み
経営者にとって、事業計画の達成見込みはもちろん100%です。
コンサルタントのあなたは、その事業計画を第三者でも100%と思えるように、数字とデータで示しましょう。
事業の成功は、すべて逆算です。
最終的な経常利益から何をどのように、どれくらい販売していくのか、収益シミュレーションを作成してみましょう。
②適切な図解説明
文章と写真の割合
長々と文章のみで構成された事業計画は、内容の理解に非常に時間を要します。
良いことが記載されているにもかかわらず、審査員に伝わらなければ意味がありません。
写真の配置
写真配置にも心がけましょう。
人間の目は、左上から右下に流れる傾向があります。
③専門用語の多用禁止
審査員は、特定業種のプロが行うわけではありません。
業界情報を全く知らない相手に説明すると思って資料を作成した方が良いでしょう。
極端に言えば、小学生でも理解できる内容でちょうど良くなります。
事業計画書作成で必ず押さえること
事業計画書を作る上で、必ず押さえなければならないことは、要件の達成です。さらにA4サイズ15枚にまとめ、指針に沿う内容であることが求められます。
要件の達成
事業再構築補助金の申請は、以下5つの類型に分かれます。
【新分野展開】
メイン事業を継続し、新サービスを作り、新しい市場へ参入することです。
【事業転換】
事業を変更することです。
例:居酒屋経営から、焼き肉店経営に切り替える。
【業種転換】
全く新しい業種に参入することです。
例:ホテル経営から、ビルメンテナンス業へ切り替え。
【業態転換】
現状のサービスや製品の販売方法や、製造方法を変えることです。
例:精肉店経営から冷凍加工工場を設立、通販事業を展開する。
【事業再編】
上記の類型をM&Aを通じて行うことです。
事業再構築補助金では、必須要件を達成しなければスタートラインに立つことが出来ません。
まずはどの類型に属し、それぞれの要件を達成しているのかを確認するべきです。
A4サイズ15枚以内
- 現状説明
- 分析
- 事業計画
- 課題対策
- 達成見込み
この5つをA4用紙15枚にまとめます。
情報量が非常に多くなるため、不要な情報や重複する内容は削ります。
出来るだけ簡素化することを意識しましょう。
指針に沿う内容
事業再構築補助金には指針が設定されています。
この指針に沿い、審査が行われます。
事業再構築指針を参考に、指針に沿っている旨を明記することが大切です。
事業計画書を作る前に
事業計画書を作る前には、その事業のニーズを探りましょう。
誰のために行う事業か明確にして、アイデアを立案、そして資金調達の方法を考えます。
その事業は誰のもの?
お客様の不の要素を解決した時に、価値が生まれ対価としてお金が生まれます。
売りたいものを売るのではありません。
必要とされているものを売る。
この認識に変えることがビジネスが成功するコツです。
そしてこの情報を得るには、お客様の声をいかに上手く吸い上げるのかが重要になります。
アイデア立案方法
アイデアの概念を変えてみましょう。
0から1を生みだすのではなく、1と1を足して2や3を作ります。
既存にある事業やビジネスの中で、あなたが携わったことがあるものをピックアップして組み合わせていきます。
創造は真似することから始まります。
運転資金
実は資金繰りまで考慮出来ていない経営者も少なくありません。
キャッシュがあれば問題ありませんが、新事業には多額の資金が必要な場合もありますよね。
資金調達が曖昧だと、運転出来ずに潰れるんじゃないか?と審査員にネガティブなイメージを与えてしまいます。
資金調達の具体的な方法についてはこちらの記事も参考にして下さい。
まとめ
今回の記事では、事業計画書の作成方法のコツについて解説しました。
事業計画書を作成する上で、以下の3つを意識することが大切です。
①一貫したストーリ―性
今を分析し、事業発展には何が必要か把握します。さらに数字を用いた収益性を明確にしましょう。
②適切な図解説明
文章だけの資料では、審査委員に伝わりにくい場合があります。また、人の目の流れは左上から動きます。その流れを意識して写真配置や文章の配置を構成しましょう。
③専門用語を多用しない
審査員はあなたの業界のプロではありません。小学生でも理解できるような内容でちょうど良いと考え、専門用語の多用はやめましょう。
【事業計画書で必ず押さえるポイント】
- 要件の達成
- A4 15枚以内
- 指針に沿う
事業計画書を作る前には、その事業は誰のためのものなのかを考えます。
そして、弱みを克服し、強みを活かして現状打破できる事業を作るには、SWOT分析が有効です。
事業計画書の作成は、多数ある補助金の中でもボリュームが大きく苦戦する方も多いはずです。
経営者の方の想いをくみ取り、まずは決めた手順で作成してみましょう。
さらに修正を加えていくことで、全体の精度が上がります。
採択に向けて、頑張っていきましょう!