「思ったより成果が出ない」「自分に足りないものって何だろう?」コンサル業をしている中でそんな悩みを抱いたことはありませんか?
何度もあります。なかなか上手くいかなくて、その度に「私に足りない能力って何だろう?」って考えるけど解らなくて…。
それはコンサル業をしていると誰しもが当たる壁ですね。考えたら解るようで、実はなかなか難しい問題です。
今まさにこの壁に直面しているあなたの為に、一流のコンサルタントになる為には何が必要かを徹底解説します。
スキル・能力のみならず考え方なども網羅しておりますので、是非最後までお読み頂いて今後のキャリアアップにお役立て頂けたらと思います。この記事を読めば、今のあなたに必要なものが明確になることをお約束します。
Table of Contents
コンサルタントには何が必要?
『優れたコンサルタントとは?』と考えた時、どのような人材を思い浮かべるでしょうか。「効果的な改善案を考えられる人」「分析力の高い人」「解りやすいプレゼンができる人」など、様々なイメージがあると思います。
勿論これらは全て正解です。しかし、改めて具体的にどのような能力が必要かと考えると明確な答えは出てこない方もいるのではないでしょうか。
その疑問に対する答えを明確にする為に【優れたコンサルタントになる為には何が必要か】を下記のように大別してリスト化しました。
プロフェッショナルマインド
- クライアントファースト
- ハングリー精神
- 諦めず挑戦する強さ
論理的思考力
- MECE
- 仮説思考
- ゼロベース思考
- ロジックツリー
その他の人間力
- コミュニケーション能力
- 洞察力・観察力
- 専門的な知識
- プレゼンテーション能力
こうしてリスト化されるとイメージが湧きやすいですね!
そうですね。今回はこのリストに沿って一つずつ解説していきましょう。
コンサルタントとは
前述の内容を解説する前に「そもそもコンサルタントの役割とは?」というところから考えてみましょう。そもそもコンサルタントという職業をしっかり把握していなければ、必要なマインドや能力を理解することはできません。
コンサルタント(consultant)の語源は英語の「consult=相談」で、その名の通り「相談役」と訳されたり「顧問」と訳されたりします。
コンサルタントの役割は、クライアントである企業の問題や課題の解決策を提案し、企業としてのパフォーマンスを向上させることです。
何故コンサルタントを雇うのか?
そもそも何故、企業はわざわざ外部からコンサルタントを雇うのでしょうか。
その理由は主に二つあり、一つは法務や税務などの専門的で高度な知識を元にした分析やアドバイスを求めている時で、その際には該当分野のエキスパートが必要な為です。
もう一つは自社の抱える問題に合わせた具体的な解決策を考案して欲しい時で、自社内で人材や時間を割く余裕がない場合や、問題解決を仕事としている第三者からの提案を受けることで、より説得力のある策として採用しやすくする為などです。
コンサルタントの種類
このようにただ一言コンサルタントと言っても、クライアントの業種や課題により必要とされる知識やスキルは変わってきます。
「では全てのジャンルの知識を身につけなければいけないのか?」と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、決してそうではありません。
ジャンルが多数あるということはそれだけ様々なニーズがあるということですので、コンサルタントは自身の得意な分野のエキスパートになれば良いのです。
弁護士でも「◯◯問題ならお任せください」というように、得意ジャンルに特化したスタイルの方が多数いらっしゃいます。
コンサルタントも同様に、自身の経験や知見を活かせる得意なジャンルで活躍が出来ます。
コンサルタントの種類などは下記のページに詳しく掲載していますので一度覗いてみてください。
コンサルタントに求められる能力
「だとしたらコンサルタントは各分野の経験や知見があれば良いのか?」というと、もちろんそれだけでは良いコンサルタントにはなれません。
コンサルタントの本質は問題を解決に導くことです。その為に、先ほどリストアップしたマインドや能力が重要となります。それではここからは、冒頭に述べた3項目、
- 【プロフェッショナルマインド】
- 【論理的思考力】
- 【その他の人間力】
について細かく解説していきましょう。
プロフェッショナルマインド
プロフェッショナルマインドとは、その名の通り「プロフェッショナルとしての心構え・精神」という意味です。
スポーツ業界などでもよく耳にする言葉ですが、具体的に説明できますか?
そう言われるとあまり…「プロなんだからしっかりするぞ」くらいのイメージしか持っていないです。
意外と多くの方がそうだと思います。それでは「コンサルタントとしてのプロフェッショナルマインド」について解説します。
クライアントファースト
言葉通り「クライアント第一」ということですが、正確に表現するなら「クライアントが得るメリットを最優先にする」と言う意味です。
自身の利益を考えるのではなくクライアントの為に何をするべきか考え労を惜しまない、コンサルティングは常にこの考えを持って動かなければなりません。
注意しなければならないのは、これは「お客様は神様だ」という意味ではないということです。
この考えではクライアントの指示は絶対となってしまい、それはもう問題の解決策を考える為ではなく、ただ一人のオペレーターとして呼ばれただけになってしまいます。
そうではなく、クライアントと共に考え、意見を出し合い、協力して解決に向かう姿勢が大切です。
そのためにはクライアントの先にいる「クライアントのお客様」のことを考え、お客様の満足がクライアントの利益に繋がり、それが自身の利益にも繋がるという考え方を忘れないことが大切です。
ハングリー精神
クライアントはコンサルタントに対して「自社内では解決できないことを解決して利益を産んでくれること」を期待してます。
それに対して「期待以上の成果を産もう」という姿勢がなければ良い結果は産まれません。常に最大限の結果を求めて考え、行動できるように高い意識を持って臨みましょう。
諦めず挑戦する強さ
企業が解決できない難題を解決するのがコンサルタントですので、当然ながら簡単に解決するわけではありません。どのような局面でも諦めず改善を続けられる肉体的・精神的な強さが必要です。
常日頃から鍛え、コントロールできるようにしておくことは勿論のこと、肉体・精神共にしっかりと休養を取ってストレスを解消することも重要です。
論理的思考力
目の前にある問題に対して無作為に解決策を考えるだけでは、答えは一向に見つかりません。クライアントの問題を解決する為には、根本原因を追求しそれを改善する為の手法を考えることが必要不可欠です。
問題が起こっている理由は何なのか、その理由を構成する根本原因はどこにあるのか、その根本原因を改善する為にはどのような手法が最善なのか、これらを論理立てて一つずつ追求してマクロからミクロな部分へ思考を巡らせらることはコンサルタントにとって非常に重要な能力です。
MECE(ミーシーorミッシー)
Mutually ExcLusive and Collectively Exhaustive の略で「漏れなく、ダブりなく」という意味です。全体をいくつかのグループに分類した時に、複数のグループに入るものがあったり、どこにも入らないものがない状態のことを指します。
例えばクライアントの顧客を10代・20代・30代・・・と年代別に分けた場合、10代でありつつ20代でもある顧客やどこにも入らない顧客はおらず、全ての顧客がどれか一つのグループに入ることになるので、これはMECEを満たしていることになります。
それに対して職業別に分類した場合、無職の方やサラリーマンとアルバイトを兼業している方などの漏れやダブりが発生してしまいMECEを満たしていない為、有用な分類とは言えません。
またMECE条件を満たしていても、そもそも分類条件が問題解決の効果的なヒントにならなければあまり意味がありません。
例えば高級レストランを顧客分析する際に、年齢で分類する場合と可処分所得や金融資産額で分類する場合では、後者の方が有用な分類と言えるでしょう。
このように分析の為の分類ではMECEを満たすと共に、より有用な分類方法を考えることが大切です。
仮説思考
問題を解決に導く際、ダイレクトに原因を見つけることは非常に困難ですし時間も掛かってしまいます。仮説思考とは、問題に対してまずは「〇〇が原因ではないか?」という仮説を立て、そうである前提でデータ収集して分析することです。
これにより実施する作業が明確になりスピードが上がると同時に、もしその仮説が間違っていた場合素早く軌道修正ができます。
簡単な例として、ある飲食店の売上減少を考えてみるとします。
ここで何も考えずにデータ分析をしようとした場合、価格・立地・ライバル店・広告・味・盛り付け方・客層・外装・内装・営業時間等、膨大にあるデータのどこを分析するかも決まらず、無作為に手当たり次第で作業を進めることになります。
ですがここで「女性客が減っているのではないか?」と仮説を立てたらどうでしょうか。まず分析するべきは客層であることが明確になります。
客層分析の結果本当に女性客が減っているのであれば、次は「なぜ女性客が減ったのか?」の仮説に進み、女性客が減っていないのであれば、仮説が間違っていたとして新たな仮説を立てて次の分析に進めます。
このように問題解決の為には原因を想像して手順を明確にする仮説思考が大切です。
ゼロベース思考
ゼロベース思考とは、既に持っている知識や経験から来る前提、思い込みなどを排除し、基礎ベースのない状態から物事を考えることです。
知識や経験が問題解決に役立つことは多々ありますが、新たなアイデアを考えて競合他社とは違う戦略を取りたい場合等には逆にそれが邪魔してしまうことがあります。
既に世に出ているものとは全く違う斬新で革新的な発想を生み出したり、顧客目線でのサービスを開発したりと、新しいものは必ずと言っていいほどこのゼロベース思考から生まれます。
ゼロベース思考を鍛える為には、既にあるシステムやサービスなどに対し疑問を持ち、より大きなメリットを産むための手法を考え検証を繰り返すと良いでしょう。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、問題を分解して枝分かれさせて行くことで原因や解決策を見つけることに役立てるフレームワークです。
前述の「女性客が減っているのではないか?」という仮説は「売上減少(問題)→客数減少(一段目)→女性客減少(二段目)」という一つのルートを元にした仮説です。
他の枝分かれルートとして「売上減少(問題)→客単価減少(一段目)→注文数減少(二段目)」等が考えられるように、いくつもの枝分かれを考えることで先端にある原因候補を見える化し、特定することが可能となります。
これは時短方法としても有効ですし、チームで動く場合には解決策の共有としても有効な手段です。
その他の人間力
どんなに強いマインドと思考力を持っていても、それを常に最大限発揮して解決案を生み出した上で明確にクライアントに伝えることが出来なければ意味がありません。
ここでは、前述の論理的思考による「問題の原因を追求すること」の先である「改善策を考えクライアントへ提案する」際に必要な能力について解説します。
コミュニケーション能力
クライアントから信頼を得てスムーズな情報収集や提案する為には、円滑なコミュニケーションが必要不可欠です。相手の考えを正確に把握する力、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力、クライアントの気持ちに寄り添う力を持つ必要があります。
中にはクライアント自身が悩みを上手く言語化できなかったり、具体的な課題に気づいていない場合もあります。クライアントの悩みに対して話を掘り下げ、問題の全容や具体的な課題を引き出す為にもコミュニケーションは必須と言えます。
洞察力・観察力
どんなに分析しても、そこにある根本原因に気づけなければ問題を解決することは出来ません。
仮説思考の例で出した「女性客が減っている」が正しかったとして、その先の「なぜ女性客が減っているのか」の原因に気づく為には、女性客の立場に立って何を改善すれば良いのかが理解できなければいけません。
そのためには優れた洞察力・観察力が求められます。これらを身につけるには、常日頃から物事に対して問題点と解決策を考えるようにしたり、ふと思いついたこと・閃いたことに対して深く分析・検証してみる癖をつけると良いでしょう。
専門的な知識
冒頭で「得意ジャンルのエキスパートになれば良い」と述べましたが、勿論そのジャンルがあまりにも限定的であったり知見が狭れば問題解決の糸口が掴めないばかりか、クライアントの信頼を得られなかったり依頼のものを得られないということにもなり得ます。
得意なジャンルはもとより、そうでないものに携わる機会も現実的にはあるでしょう。そのような時に、自ら積極的に素早く知識を習得して専門家たちと渡り合えるレベルまで自身を引き上げる姿勢もコンサルタントには必要です。
プレゼンテーション能力
どんなに良い解決策が浮かんでも、それを明確にクライアントに伝えられなければ意味がありません。わかりやすい資料作成、順序立てて伝える為の構成力、相手が理解しやすい表現力、心を掴む説得力が無ければ良いプレゼンは行えません。
まとめ
コンサルタントの役割とは、クライアントである企業の問題や課題の解決策を提案し、企業としてのパフォーマンスを向上させることです。
その際に最も大切なことは「クライアントの抱える問題や悩みを自分のものとして捉え、真剣に全力で解決に取り組む姿勢」であり、その為に今回述べた能力を高め、それを最大限に発揮できるように努める必要があります。
ぜひこれを機に自身を見つめ直し、既に持っている能力とこれから身につけなければならない能力を見極めて、今後のキャリアアップに繋げて頂けたらと思います。