取引先の人や知人が独立するということで、開業祝いに気の利いたメッセージを送らなければならないときは、どんな文章が良いでしょうか。
なんとなく聞きかじっていたマナーで、適当にメッセージを送ってしまうと、とんでもない恥をかいてしまうだけでなく相手との関係性が悪くなってしまう可能性があります。
それは困ります!
そうならないためにも、この記事を読んで、しっかりと開業祝いにふさわしいメッセージの書き方やマナーをマスターしましょう。
ポイントを押さえて、相手が喜んでくれる開業祝いのメッセージを送りましょう!
Table of Contents
開業祝いのメッセージはどうしよう?マナーを守った言葉選び
お祝いの言葉を贈るには、相応のマナーが存在します。
知らず知らず使ってしまっているNGワードを避け、言葉の意味など、しっかりと理解した上ですてきなメッセージを送りたいですよね。
まずは、お祝いメッセージ作成のマナーやルールについて解説していきます。
お祝いメッセージのマナー
お祝いメッセージを送る場合のマナーとして、下記の点を考慮すると良いでしょう。
- メッセージを渡すタイミング
- 言葉遣い
- 忌み言葉を使用しない
- 文末は商売繁盛を願うメッセージを込める
意外と細かくその注意点が存在しますので、それぞれのポイントを丁寧に解説していきます。
メッセージを渡すタイミング
お祝いのメッセージを渡すタイミングはとても重要です。
また、渡す方法で一番良いのは、開業する前にメッセージをご本人に手渡しすることでしょう。
郵送だけでなく、今はメールなどの電子媒体で簡単にメッセージを送ることもできますが、だからこそあえて手渡しをすることで相手には誠意と心からのお祝いの気持ちが伝わるのではないでしょうか?
多くの関係者が郵送でお祝いのメッセージを送る中、手渡しをしたらかなりインパクトありそうですね!
しかしながら開業の直前直後は、新しい事業の準備などで忙しいタイミングになってしまうので、開業する1週間前には手渡しするのが理想的です。
言葉遣い
後に解説をさせていただきますが、メッセージを送る相手との関係性によって、しっかりとした言葉選びをすることも重要です。
かしこまった言葉だと、難しい表現になることがありますよね。
だからこそ意味を理解しないまま使用しないよう、気をつけることが重要です。
曖昧な言葉はしっかり調べて、ふさわしい表現か確認しましょう!
書き方
あらかじめ、お祝いの言葉が書いてあるメッセージカードの使用や、文章ソフトで書いたメッセージを印刷して使用するのも一般的です。
しかし、お祝いの気持ちを最大限にお伝えするためには、やはり「手書き」を提案させてください。
開業までの大変な道のりをねぎらい、心からのお祝いの言葉を送りたいですね
ご自身のお気持ちを手書きでしたためて、相手へお祝いの言葉を送りましょう。
忌み言葉を使用しない
縁起が悪いことを連想させる「忌(い)み言葉」は、使用を避けましょう。
実際、どんな言葉が忌み言葉にあたるかわからないと危険です。
例えば、「倒れる」「落ちる」などはビジネスにおける倒産や赤字のイメージを連想させるので、絶対に避けましょう。
メッセージの最後は商売繁盛につながる言葉で締めましょう
最終的には、「これからもますますの発展をお祈りします。」というような、商売繁盛を表す言葉で締めくくるのが一般的です。
今後もずっと応援していますというような言葉をつけ足しても喜ばれますよね!
開業する相手の気持ちが少しでもわかるように、独立開業する場合の手続きの大変さなどがわかる下記の記事を読むこともおすすめします。
贈る相手との関係性に合わせたメッセージ作成方法
お祝いのメッセージを送る相手によって、言葉遣いなどを選ぶことで、違和感のない文章を作ることができます。
ここからはお祝いのメッセージの構成として、「前文」「本文」「締め」の3段階に分けて例文をご紹介します。
それぞれの例文を組み合わせれば、さまざまなパターンのお祝いメッセージを作成できますよ。
ぜひご活用ください。
前文の例
まずは、メッセージの1文目です。
まずはフォーマルな書き出しとしては以下のような例があります。
目上の方や取引先用(フォーマル)
- ご開業誠におめでとうございます。
- ご開業心よりお祝い申し上げます。
- このたびは、独立開業誠におめでとうございます。
- このたびは、新会社ご設立誠におめでとうございます。
- このたびのご開業を心よりお慶び申し上げます。
親しい関係性を持つ方へのメッセージは、最初にお名前を付けるなど、親近感を出して書き出すのも良さそうです。
以下に例を挙げます。
友人など親しい関係用(カジュアル)
- 開業おめでとうございます!
- 開業おめでとう!
- 〇〇さん、このたびは、開業おめでとうございます。
前文はシンプルかつお祝いの気持ちを簡潔に伝えましょう!
本文の例
次に、メッセージの中核となる、本文について例を挙げていきます。
まずはフォーマルな例から下記にご紹介します。
目上の方や取引先用(フォーマル)
- 今日という日が迎えられたこと、心よりお慶び申し上げます。
- ご計画から、開業を実現された事に付きましては、感服の至りでございます。
- この日をお迎えになられたのも、〇〇様のたゆまぬ努力のたまものとご推察いたします。
- 〇〇様の強い信念と大変な努力が、実現させたことと存じます。
カジュアルなものとしては、良く知る相手の状況や、苦労などもねぎらいながら書くと効果的です。
例としては以下のようなものが挙げられます。
友人など親しい関係用(カジュアル)
- これまで努力されてきたことが実現し、自分の事のようにうれしく思います。
- 開業の目標を達成されたこと、とても尊敬しています。
- 〇〇さんの思いが、見事形になり、とても感動しています。
- 〇〇さんのことなので、必ずや事業を成功されるでしょう。
- 〇〇さんのご英断、勇気ある行動、心から尊敬しています。
本文には上記の例文以外に、書き手の思いや気持ちも盛り込むと良いですよ。
締めの例
「締め」の一文には、今後の発展や、商売繁盛などが伝わる表現をいれると違和感が無く締まります。
以下例を見ていきましょう。
目上の方や取引先用(フォーマル)
- 今後、益々のご発展をお祈り申し上げます。
- 後日、改めてご挨拶にお伺いさせていただきます。
- 今後のご繁栄と、ご健勝を心よりお祈り申し上げます。
「締め」の一文に関しては親しい関係性の相手でも、上記の様なフォーマルな表現で締めてもおかしくないでしょう。
あえて、親しみを込めるのであれば、やはり相手のお名前を添えることを忘れずに。
以下例になります。
友人など親しい関係用(カジュアル)
- 〇〇さんのご活躍とご多幸をお祈り申し上げます。
- 新しいオフィスへご挨拶にお伺いできることを楽しみにしています。
以上で、お祝いのメッセージの例文を構成ごとにご紹介しました。
これらを組み合わせながら、本文にはご自身の思いや気持ちをつけ足していただけると、よりオリジナリティを高めることができます。
メッセージの質を上げるポイント
気の利いたメッセージを相手に送るためには、ちょっとしたポイントがあります。
ここからは、そのポイントについて解説させていただきます。
自分の思いをプラスする
すてきなお祝いのメッセージを作成するためには、無難なひな型をそのまま使用するのではなく、自分自身が考えている事を文章にしたためるとオリジナリティが出せます。
これによって、相手も「きちんと考えてくれている」と感じるのではないでしょうか?
書き手としても、きちんと読んでもらえた方がうれしいですしね!
例えば、相手の仕事への共感や、開業までの苦労した道のりをねぎらう言葉などを入れることによってメッセージに厚みを出すことができます。
先に挙げた、例文集の「本文」の位置に、そういった書き手のオリジナルの文章を盛り込んでいただくことをお勧めします。
「六曜」の考慮
「六曜(ろくよう)」とは、もともと中国から日本に伝わった、日付の吉凶を表す考え方です。
よく、「大安」や「先勝」などカレンダーに記載されているのを見たことがあると思います。
六曜を気にされる方も多いですよね
開業のお祝いをしたためた日付を入れる時、この六曜を意識してメッセージを作成することも、相手への配慮が出来ていると言えるでしょう。
特にお祝いの際は、作成したメッセージを「大安」の日にお渡しするのがよさそうです。
さっそくカレンダーを確認しなくちゃ!
吉日も意識してみる
縁起を担ぎたい場合、「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」や「天赦日(てんしゃび/てんしゃにち)」というような開運日に当たるタイミングでメッセージを送るのも良いでしょう。
こういった開運日や吉日を意識して開業をする方も多いと推察されますので、そういった日を意識してみるのも、相手への気遣いが感じられて良いかもしれません。
一粒万倍日と天赦日について
「一粒万倍日」は「少しのものが一気にたくさん増える」という意味を持ち、「天赦日」は「天が罪を許す日」とされていて、最強の開運日と言われています。
タイミングにもよりますが、ここまで考えてお渡しできたら素晴らしいですね!
贈り物を添える
メッセージだけでなく、気の利いたギフトもお送りすると、先方からも喜んでもらえることでしょう。
ここからは、贈り物にふさわしいギフトの種類や注意点を解説していきます。
贈り物の種類
良くあるお祝いのギフトとしては、下記のようなものがあります。
- 胡蝶蘭
- 時計
- 酒
- 筆記用具(ボールペンなど)
- オフィスチェア
良く開業や開店祝いで見かける「胡蝶蘭」の花ことばは「幸福が飛んでくる」です。
そういったことから、お祝いの定番となっているようです。また、多年草植物でもあり、毎年花を咲かせることができる、生命力の強い花です。つまり、長く繁栄を願う象徴としても、最適な贈り物とされています。
何気なく贈り物には胡蝶蘭と思っていたけれど、そんな大切な意味があったんですね!
また、「酒」についても一升以上を送ることが良いとされています。理由としては「一升」と「一生」をかけており、会社が長く続くよう願うという意味があります。
「筆記用具」や「オフィスチェア」、そして「時計(壁掛けなど)」に関しては、開業時に必要なものがそろっていないことも想定して、永く使えるものとして贈り物の代表として挙げられます。
よく見かける贈り物も、しっかり考えられて定番化しているんですね。
贈り物としてNGなもの
「忌み言葉」でも解説させていただいたものと同じく、「火」や「赤」をキーワードとするものは業績の赤字や、火事などを連想させるので、NGと言われています。
例えば、下記のようなものです
- 赤い花束
- キャンドルやストーブ
- 靴
- 玄関(エントランス)マット
「赤い花束」は赤字など業績にネガティブなイメージ、「キャンドル」や「ストーブ」などは火事を連想させるという事で、すてきなものがあっても避けるのが無難です。
また、「靴」や「玄関マット」は縁起がよさそうなものもありますが、目上の方や取引先を「踏みつける」というようなイメージになるようで、これも注意が必要です。
まとめ
この記事では開業のお祝いに関することについて、以下の事を解説してきました。
- 開業祝いのメッセージ作成のマナーについての解説
- メッセージを送る相手に合わせたメッセージの作成方法についての解説
- メッセージの質を上げるポイントとは?
- メッセージだけでなく贈り物も添えることについて
お祝いのメッセージや贈り物はもらってもうれしいものですが、送ってもうれしいものでありたいですよね。
そのためには、この記事を参考にしていただき、しっかりマナーを理解して、心の底からお祝いをする気持ちでメッセージを作成してみてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。