キャリアコンサルタントとして独立を考えている女性は多いのではないでしょうか。しかし、資格を取ったものの仕事に活かせておらず、独立しようにも準備すらできていない状態にある方がいるのでは?
とりあえず資格を取ったけれど、どう活かそうか迷っている方も多いはずです。
せっかく取得したキャリアコンサルタント資格の価値を、全く生みだせずに終わらせてしまっても良いのでしょうか?
この記事ではキャリアコンサルタントとして独立を目指す女性の方に向けて、しっかりと資格を有効活用できるような解説をしていきます。
これからキャリアコンサルタント資格の取得を目指される方も必見ですよ!
Table of Contents
キャリアコンサルタントとして独立する女性は活躍の場が多い
結論からお伝えすると、女性キャリアコンサルタントとして独立することは十分に可能です。
また、女性である強みを存分に活かすことができれば、ビジネスとしても良い影響を与えることができるでしょう。
まずは「女性だからこそキャリアコンサルタントとして活躍すべき理由」から、実際に仕事を獲得するまでの流れを解説していきます。
女性だからこそキャリアコンサルタントとして活躍すべき理由
女性という事が、そのままキャリアコンサルタントとしての強みになり得えます。
言い換えれば、キャリアコンサルタント資格を持つ女性は悩みを抱える女性の方々にとって、「救世主」となる可能性が高いです。
その理由として、例えば以下のようなことが挙げられます。
- 妊娠や出産など女性にしか体験できないライフイベントへの共感が可能なため
- 子育てと仕事の両立に関する相談を同性として理解し支援できるため
- 女性という立場から、女性にしかわからない感覚などを交えてキャリアの相談が可能なため
確かに男性では共感し辛いことも、女性同士であれば安心してもらえそうです!
女性のキャリアコンサルタントとして、「出産と育児とキャリア構築の同時進行」など、女性特有のイベントのご経験をされている方も多く、男性では共感できないようなこともしっかりと相談者に寄り添う事が可能です。
そういった特別な経験をもつ機会が多い女性だからこそ、同じ状況で仕事における悩みを抱えている女性に寄り添い、支援をすることが可能です。
これは男性には真似できない相談者への寄り添い方ですね!
また、相手が男性のキャリアコンサルタントだと相談し辛いことも、女性同士であれば相談しやすいと予想できます。
キャリアコンサルタントの実際
厚生労働省が発表している「キャリアコンサルタント養成計画について」によれば令和6年(当初は平成36年という表現)までにキャリアコンサルタントを10万人まで増やすという計画があり、キャリアコンサルタントを養成するという動きが活発になっています。(参照:厚生労働省)
働き方もどんどん変わっていく中で、良き相談相手としてキャリアコンサルタントが注目されています。
また、少子高齢化が進む現在の日本の中で、近い将来には労働力が不足することが懸念されている状況です。
そこで、定年を迎えた人材だけでなく、出産や育児でビジネスから距離をおいている人々にも再び社会で活躍してもらう事が必要です。
これらの促進をするのがキャリアコンサルタントの役目という事になります。
とても重要な役割をになっているのがキャリアコンサルタントなんですね!
近年、キャリアコンサルタントは各企業でも求められている傾向にあり、それだけキャリアコンサルタントの活躍の場が今後増えていくと予想されています。
詳しくは、下記の記事をご参照ください。
キャリアコンサルタントの仕事内容は?
キャリアコンサルタントの仕事について、一言で「キャリアの相談をする」といっても、その方法や手法はさまざまです。
ここからは、キャリアコンサルタントの実際の仕事内容を解説していきます。
相談者からキャリア相談を受ける
現在の仕事に悩みのある方や転職を考えている方々が多く存在しています。
そういった転職や仕事の今後を考える方々(相談者)が、キャリア相談を持ち掛ける相手として、キャリアコンサルタントが存在します。
「相談者」の現在の気持ちや今後の希望に寄り添って、その「キャリア」を実現させるために支援することこそ、キャリアコンサルタントの仕事です。
転職やキャリア形成のアドバイスだけでなく、相談者のパーソナリティも含めてその方に合ったカウンセリングをしていきます。
厚生労働省のウェブサイト「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」のページでも発表している通り、キャリアコンサルタントが行う「キャリアコンサルティング」は以下の目的を担っています。(参照:厚生労働省)
「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
引用:厚生労働省
まさに、キャリア相談のエキスパートという事ですね!めちゃくちゃ頼りになる存在です!
具体的なキャリアコンサルタントの活動を大まかな流れで紹介すると、以下のようなことを実施していきます。
- 相談者の状況のヒアリング
- 相談者自身が気づいていない事を引き出す
- 相談者のキャリアについてベストな方向へ導く
それぞれを詳しく見ていきましょう。
相談者の状況のヒアリング
相談者がどのような状況に置かれているのか、相談者自身がどのような事で悩んでいるのかを徹底的にヒアリングします。
また、内容を聞くだけでなく、候補者の発する言葉に丁寧に寄り添いながら気持ちを理解することに努めなければなりません。
その行動によって、相談者は安心感を得られ、内に秘めたさまざまな思いをキャリアコンサルタントに打ち明けてくれる可能性が高まります。
そうなると、キャリアコンサルタントと相談者の信頼関係が出来上がります。
これを「ラポール」と言います。
キャリアコンサルタントとしての基礎スキルですが、最初のラポールが重要です。
相談者自身が気づいていないことを引き出す
ヒアリングをしながら、相談者の志向や考えをまとめつつ、状況を確認していくことがキャリアコンサルタントとしての入り口の仕事になります。
その中で、相談者自身が「自分で気が付いていない部分」を上手く表に出してもらうように、キャリアコンサルタントが関わっていきます。
相談者が繰り返し話す話題やキーワードについて質問していく事によって、相談者の潜在的なものが少しずつ出てくるんですよね!
そうすると、相談者自身が「こういう事だから、悩んでいるんだ。」と自覚するようになります。
その自覚が生まれた時に、新たにキャリア形成の道筋が現れたり、解決策の兆しが見えてくることになります。
そういったところまでの先導をキャリアコンサルタントが担います。
相談者のキャリアについてベストな方向へ導く
相談者の状況をヒアリングしつつ、潜在的な気づきがが出てきたときが、キャリアコンサルタントにとっての山場となります。
これまで相談者と会話をする上で集めてきた情報から、今後どうすべきかという「相談者のキャリア形成」について良い方向に導かなければなりません。
そこで、相談者が理想の状況になるための方策を考え、相談者にお伝えをして実行をすることになります。
キャリアコンサルタントは提案やアドバイスをするのですが、それを実行したり決定するのはあくまで相談者です!
以上のことを相談者に対して複数回実施し、「相談者自らがキャリア形成を自発的に行っていく支援をする」ということがキャリアコンサルタントの役目です。
その他、ハローワークや企業に対してのキャリアコンサルタントとしての活動についても解説していきます。
ハローワークでの活動|ジョブカードの作成
ハローワークなどで記入する職業の棚卸をするためのツールです。
一般的な職務経歴書とは異なり、経歴を単に示すだけではなく、相談者自身の「強み」や「やりたいこと」を詳しく記入することができるものです。
キャリアコンサルタントは、このジョブカードにそって、相談者コンサルティングを実施することが可能です。
企業|セルフキャリアドックへのかかわり
セルフキャリアドックというのは、各企業が人材育成をするための仕組みの事です。
その内訳には、キャリアコンサルタントが従業員の方と面談をし、これまで解説してきたようなキャリアコンサルティングを行います。
加えて、さまざまなキャリア研修を組み合わせ、定期的に従業員の方々のキャリア支援を実行します。
そして、従業員の方々の主体的なキャリア形成を促進したり、支援したりすることで各企業に貢献します。
キャリアコンサルタントの収入について
キャリアコンサルタントとして独立した場合、気になるのはその年収です。
現状、活躍しているコンサルタントの平均年収を紐解いていきましょう。
年収はどのくらい?
厚生労働省の運営する「職業情報提供サイト jobtag」によれば、平均年収は579.8万円の調査結果が出されています。
また、所定内給与額も下記の図のようになっています。(参照:職業情報提供サイトJobtag)
企業内にいるキャリアコンサルタントも含め、月収が30万円以下の方の割合が最も大きくなっています。
多くのキャリアコンサルタントは月収30万円以下に落ち着いていますが、場合によっては大きく稼げる可能性も高いということになります。
兼業も考える
キャリアコンサルタントの資格を取得した後に、すぐさま独立をしても年収を思うように上げることが出来ないのが普通でしょう。
いきなり大きな稼ぎを狙うにはなかなかハードルが高いです。
まずは、現職で働きながら、週末にキャリアコンサルタントをするなど兼業を考えてみてください。
ある程度軌道に乗るまでは、現職とキャリアコンサルタントの両立をするのはいかがでしょうか。
独立をするために
ここからは、キャリアコンサルタントとして独立をするために必要な事項を解説していきます。
独立をするために必要な事
「キャリアコンサルタント」と名乗るためには、国家資格である「キャリアコンサルタント資格」を取得する必要があります。
厚生労働省が「キャリアコンサルタントの名称独占」について明示しているとおり、資格が無い状態でキャリアコンサルタントを名乗ったり、紛らわしい名称を付けて仕事をすると、30万円以下の罰金などが課せられます。
また以下は、厚生労働省ウェブサイト「キャリアコンサルタントになりたい方へ」の説明に掲載されている受験資格の内容になります。(参照:厚生労働省)
引用:厚生労働省
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(講習カリキュラムは別表に記載)
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(4を参照)を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
自信をつけたい場合にすること
キャリアコンサルタントの資格を獲得できたからと言って、すぐさま独立は少し不安という方は、「転職エージェント」などで一度実務経験することも視野に入れましょう。
むしろ、キャリアコンサルタントとしての実務経験が無いと、独立は非常に厳しくなる可能性があります。
多くの転職志願者とコミュニケーションを取ることで、キャリアコンサルタントのスキルを磨くことができます。
多くの相談者の悩みを引き出す技術を身につけたいですね!
実際のキャリアコンサルタントとしての仕事を探すためには、人材紹介会社への転身ということだけではなく「キャリコンサーチ」や「クラウドソーシング」のサイトを調べて兼業の道も探ることが可能です。
キャリコンサーチとは?
キャリアンコサルタント名簿に登録のあるキャリアコンサルタントと、キャリアコンサルタントを求める企業の担当者もしくは個人とのマッチングを支援する検索システム。
開業届の提出
事業を始めるにあたり、税務署へ開業届を提出しなければなりません。
基本的には、事業開始した日から1か月以内に提出をすることが義務になっています。
また、「個人事業主」なのか「法人」なのかという独立方法に関しても、先に決めておきましょう。
これらの選択に関しては、下記のリンクも参照になるのでご確認ください。
個人事業主としてスタートするための方法は、基本的に開業届を提出するだけなので比較的簡単に独立できることになります。
人脈形成
大概の場合は、キャリアコンサルタントの養成講座等を受け、受験資格を獲得します。
その際に、養成講座で知り合いになった人達と繋がっておくことは非常に重要です。
なぜなら、キャリアコンサルタントの仕事は、こういった横のつながりから依頼が来る場合も多いからです。
一緒に頑張って資格を取った養成講座仲間ともしっかりと関係性を保っておきたいですね
また、キャリアコンサルタントの受験資格獲得のための養成講座を免除される方についても、積極的に外部のキャリアコンサルタント勉強会やセミナーなどに出席して自己研鑽をするとともに、キャリアコンサルタント仲間を作っていく事をお勧めします。
関連資格取得や学習を試みる
キャリアコンサルタントとしての質を上げるために、業務に関連する他の資格を獲得することや関連学問を勉強することも検討してみましょう。
キャリアコンサルタントに関係の深い資格や学問として、以下のような資格があります。
- 社会保険労務士
- 行政書士
- 中小企業診断士
- キャリアコンサルタント技能士1級・2級
- その他の士業
上記の様な資格取得や学習をすることによって、実際のカウンセリングスキル向上ということだけではなく、相談者から見たキャリアコンサルタントの信頼感も増すことが期待されます。
キャリア形成のお手伝いをするキャリアコンサルタントが、人事労務にもビジネスにも行政対応にも強いとなれば、候補者もより安心して相談してくれることでしょう。
更新時期を忘れない
これも大切な事ですが、キャリアコンサルタントの資格は5年ごとに更新することが義務づけられています。
更新するためには、決められた座学と実技の講習をみっちりと受講する必要があり、キャリアコンサルタントの自己研鑽を常に促してきます。
これらの自己研鑽の機会を逃さずにおけば、更新も忘れることはないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では以下の事について解説をしてきました。
- キャリアコンサルタントとして独立する女性は活躍の場が多くある
- キャリアコンサルタントの仕事内容は相談者のキャリア相談だけではなく、企業にも貢献することが可能
- 平均年収は決して高い方ではないが、やり方によっては大きな稼ぎにすることも可能
- 独立の具体的な方法と、その他必要な事についての解説
最後まで目を通していただき、ありがとうございました。