開業したいと思っていても、事業を続けていけるだけの貯金をするのは難しいことです。必要なお金が貯まらず、いつまで経っても開業に踏み切れないとお悩みの方も多いのではないでしょうか?
とは言え、返金の必要がある融資もハードルが高いですよね。
そんな方には『補助金』がおすすめです。
しかし、初めての開業では補助金申請の方法や、選ぶべき補助金がわからない、という方も多いと思います。さらに補助金申請時にはいくつか注意点があり、下調べをしっかりしていないと思わぬ勘違いやミスが生じ、もらえると思っていたお金がもらえなかった……という状況になりかねません。
今回は補助金申請から受け取りまでの流れや注意点、主要な補助金について説明していきます。
Table of Contents
開業時の補助金申請から受け取りまでの流れは?
補助金申請から受取までの流れは以下の通りです。
- 補助金を申請する
- 認可が下りる
- 事業を一定期間行う
- 経費と事業の結果を報告する
- 補助金を受け取る
実はほとんどの補助金が一定期間事業を行い、経費を使用した後に受け取ることが可能になっています。
補助金を受け取るまでの期間に必要なお金は用意しておく必要があります。
また、申請時の手続きや経費報告のための書類作成は複雑で、審査も厳しくなっています。
やっぱり補助金は大変なんですね…
しかし、融資と違って返済不要な補助金は、後払いであっても不安定な開業直後には大きな助けになります。また、審査などが厳しい分、補助金を取得しているという事実は社会的信用に繋がり、今後の融資や取引の際にも大きなメリットとなります。
補助金申請前の準備
補助金申請には下準備が非常に重要です。
特に以下のことに注意しましょう。
- 主要な補助金をチェックする
- 開業に必要な資金を計算する
- 事業計画書の作成
主要な補助金をチェックする
主要な補助金について、次のことを早めにチェックしておきましょう。
補助金についてのチェック項目
- 受給要件
- 申請期間
- 支給額や受給のタイミング
まず、補助金にはそれぞれ受給のための要件があります。自分が想定している事業で要件を満たすことが可能か調べましょう。
申請期間についても必ず調べておきましょう。期間は数週間から一ヶ月のものが多く、これを逃すと次は1年先ということも多くあります。タイミングを逃さないためにも、開業を具体的に考え始めた段階で見ておくと良いでしょう。
また、申込期間が長いものや支給額が多いものは倍率が高い傾向にあるので、難易度についての参考にもなります。
さらに、支給額や受給のタイミングは、開業に必要な資金を計算する上で必要になります。
どれも早めに知っておいた方がいいことばかりですね!
開業に必要な資金を計算する
補助金の申請が通ると、その分事業を続けるためのお金には余裕ができますが、受給までの資金は用意しておく必要があります。
開業後の収入と支出について見通しを立て、開業から受給までにどれくらいの資金が必要か計算しましょう。その分を貯金や融資で賄うことになります。
事業計画書の作成
申請時には事業計画書の提出が求められますが、これは補助金の審査においてかなり重視されます。審査に通りやすい事業計画書を作成するために、申請する補助金の「公募要領」を確認しましょう。
公募要領には、その補助金の「事業目的」と「審査ポイント」が設定されています。事業計画書では、自分の事業がその補助金の目的に沿うものかつ、審査ポイントを満たすものであることを示す必要があります。
補助金によって事業計画書の書き方も変わるんですね!
主な補助金5種類
主な補助金は以下の通りです。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 事業再構築補助金
- 事業継承引き継ぎ補助金
小規模事業者持続化補助金
常時使用する従業員が20人以下の法人・個人事業主による小規模の事業を支援するための補助金です。補助金の中でも人気な制度の一つですが、比較的認可がおりやすいようです。
給付額は通常枠の場合50〜150万円、コロナ枠の場合100〜200万円です。ただし、補助率は最大2/3で経費の全てをカバーできるわけではないので注意しましょう。
ものづくり補助金
新製品・サービス開発、設備投資などに関する事業向けの補助金です。自社開発をしていくITコンサルタントにとっては利用可能な補助金かもしれませんね。
給付限度額は一般、雇用拡大、デジタル枠は1,250万円、温室効果ガス削減等といったグリーン枠は2,000万円までです。ただし、従業員が20人以下では1,000万円、5人以下だと750万円までとなります。
また、デジタルに関するものづくりの場合、補助率が上がります。
要件は以下の通りです。
- 商品、試作品、設備投資を行う事業である
- 雇用拡大やデジタル、グリーン枠では3〜5年以内に生産率や給与等を上げられるような事業計画が必要
IT導入補助金
ITを導入ツールの導入のための補助金です。適用の範囲が広いので、受給しやすくなっています。
導入するIT機器の種類によって、30〜450万円が支給されます。
資本金や従業員数などの条件は、業種別に設定されています。業種ごとの条件は次の資料の5ページ目をご確認ください。
事業再構築補助金
新しい分野や事業を始める企業を対象としている補助金です。補助金の中では支給金額が多く、最大1億円となっております。予算が1兆円と多く、比較的採用されやすいのも特徴です。
種類が複数あり大きく分けて以下の通りです。
種類 | 受給額 | 注意点 |
通常 | 100〜8,000万円 | 従業員数によって受給額に大きな差がある。 |
賃金引き上げ | 8,000万〜1億円 | 従業員数が101人以上いてかつ大規模な賃金引き上げが必要。 |
卒業 | 6,000万〜1億円 | 中小企業から中堅企業となるため事業拡大を行う企業が対象。 |
グローバルV字回復 | 8,000万〜1億円 | 中堅企業が対象。 |
最低賃金 | 100〜1,500万円 | 従業員数によって受給額に大きな差がある。 |
事業計画書の作成時に税理士や金融機関の指導も受けられるなど、新事業を始めるためのサポートが充実しています。
事業を再構築して経営を立て直そうとしている方やこれから事業を始める方は、こちらの記事をご覧ください。売上を出していくヒントになるかもしれません。
事業継承引き継ぎ補助金
事業継承や再編、統合を行う企業に対する補助金です。
事業継承の形態などによって次の3種類があります。
- 経営革新事業:100〜600万円(上乗せ額150万円)
- 専門家活用:100〜600万円(上乗せ額150万円)
- 廃業・再チャレンジ事業:50〜150万円
資本金や業種、勤続年数、個人か法人か、事業継承の形態といった細かい条件があるので、詳しくは下記の公式サイトやサイト内にある公募要領をご覧くださいね。
おすすめサイト
補助金にはコロナやデジタル等、時代に合わせた枠があるんですね。
その為、名称や補助額が頻繁に変更されます。以下のサイトを参考にして探してみてくださいね。
- ミラサポplus
- jGrants
- 支援情報ヘッドライン
ミラサポplus
中小企業や事業者向けのウェブサイトで、補助金等の検索や申請をすることが可能です。他にも経営に関する相談所の検索に利用できます。使い方ガイドもあるので、はじめて使う方にも優しい仕様となっています。
ミラサポplusの公式HPです。
jGrants
ネットで補助金検索ができるだけでなく、24時間いつでも申請ができるサイトとなっています。補助金によってはこのサイトを通さないと申請できないものもあるので要チェックですよ。
jGrantsの公式サイトです。
支援情報ヘッドライン
中小機構が運営しています。補助金だけでなく、起業や、経営、セミナー等も調べることが可能です。また、今回は全国の補助金をご紹介しましたが、こちらのサイトでは各自治体特有の補助金も調べられます。
支援情報ヘッドラインの公式HPです。
まとめ
今日の記事をまとめると次のとおりです。
今日のおさらい
- 補助金は一定期間事業を行った後に支給されるものが多い
- 申請前に主要な補助金のチェック、開業に必要な資金の計算、事業計画書の作成などの下準備をしっかりする
- 補助金は名称や要件等が頻繁に変更されるので、こまめにサイト等を確認し、情報収集する必要がある
補助金は返済不要な上、受給すると融資を受けやすくなるなどのメリットがあります。
審査が厳しくハードルは高くなっていますが、資金準備は事業自体の成功にもつながるためしっかりと下準備をしてから申請し安定経営のための補助金を有効活用していきましょう。