コンサルタント業で個人事業から法人化を、検討されている方におすすめしたい助成金と補助金を紹介します。
この記事を読むことで以下のような事を解決できます。
- 法人化した時に使える、助成金と補助金を知りたい方
- どのようにして助成金と補助金を、申請したらよいのか知りたい方
- 助成金や補助金を申請したいけど、どのような注意点があるのか知りたい方
この記事を読むと【法人化する時に使える、助成金と補助金の種類と知識】を学べます。
法人化して、さらに事業を拡大させるためには客単価UPが必要になってきます。そこで記事の後半には、お役立ち情報として【客単価UPの威力】をご紹介します!
是非参考にどうぞ!
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個人事業から法人化する時に使える助成金と補助金
ここでは、個人事業から法人化する時に使える助成金と補助金の種類について紹介します。
今回は、開業後に法人化した場合を想定した記事です。開業時に使える助成金や補助金について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
大きく分けて3種類あります
- キャリアアップ促進に使える助成金
- 人材雇用の時に使える報奨金
- 環境の改善の時に使える補助金
上記の順番に紹介します。
①キャリアアップ促進に使える助成金
法人化することで書類作成など、今まで以上に事務仕事が増えてしまうので生産性は上がりません。そんな方におススメなキャリアアップ助成金を紹介します。
キャリアアップ助成金
パートタイマーや派遣労働者の方など、非正規雇用労働者の方たちに対して企業内でキャリアアップを促進するために、正社員化や処遇改善などの取り組みをした事業主に対して助成する制度です。
今後さらに事業を発展させるために、即戦力になる人材は確保したいですが、なかなか難しいですよね。
この制度を利用することで、今いる人材を優秀な人材へキャリアアップできるので悩みは解決できると思います。
パートタイマーの方や派遣労働者の方などが、労働に対して意欲や能力を向上させて、事業の生産性を高めるので、とてもおススメな助成金です。
キャリアアップ助成金の種類と紹介
キャリアアップ助成金と言っても様々な支援とコースがあります。
ここではまず2種類の支援をご紹介します。
2種類の支援
- パートタイマーや派遣労働者を正社員にする正社員化の支援
- パートタイマーや派遣労働者の賃金などの処遇を改善する処遇改善の支援
それぞれ説明いたします。
正社員化支援
正社員化支援の中には主に下記の2種類あります。
- 正社員化コース
- 障害者正社員化コース
※障害者正社員化コースについてですが、内容が膨大にあるので今回は、割愛いたします。詳しく知りたい方はキャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)のご案内をご覧ください。
正社員化コース
このコースの対象者は下記の方が対象です。
1 | パートタイマー、派遣労働者の方などが6か月以上、継続して正規雇用者と異なる区分で就業規則などが適用されている |
2 | 正社員求人に応募した方が、正社員として雇用されてないこと |
3 | 過去3年以内に、正社員として雇用されていないこと |
4 | 事業主や取締役の3親等以内の家族ではないこと |
5 | 就労労働継続A型の事業所の利用者以外であること |
6 | 支給申請日に離職せずに雇用されていること |
7 | 支給申請日にパートタイマー、派遣労働者などに転換予定がないこと |
8 | 定年制が適用される場合、定年までの期間が1年以上であること |
9 | 定年を迎えていない方であること |
上記のように9つが全て該当する方が対象になります。
支給額
有期契約(パートタイマー、派遣労働者など)や無期契約の方が正規雇用の労働者になった場合、助成してもらえます。
- 有期契約者の方が正社員になると 57万円
- 無期契約者の方が正社員になると 28万5,000円
※1年度1事業所当たり支給申請上限人数は20人まで。
上記にある金額は様々なシチュエーションにより金額がことなる場合があります。
また、加算措置という制度もありますので詳しくは、厚生労働省のパンフレット内にある正社員化コースをご覧ください。
続きまして処遇改善支援について説明します。
処遇改善支援
処遇改善支援の中には主に下記の5種類あります。
賃金規定等改定コース
パートタイマーや派遣労働者の基本給を賃金規定などを2%以上増額改定して、昇給させた場合に給付されます。
支給額
支給額は人数などにより変動があります。
- 5人未満の時、1人につき3万2,000円
- 6人以上の時、1人につき2万8,500円
※1つの事業所につき申請回数は1年度1回で100人まで。
賃金規定等共通化コース
パートタイマーや派遣労働者などに関して、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成して、適用された場合に助成されます。
支給額
1事業所につき 57万円です。
※1つの事業所につき1回だけ申請できます。
賞与・退職金制度導入コース
パートタイマーや派遣労働者に対して、賞与や退職金の制度を新たに設けて、支給や積立を実施した場合に、助成してもらえます。
支給額
1事業所につき 38万円です。
※1つの事業所につき1回申請できます。
選択的適用拡大導入時処遇改善コース
社会保険の適用拡大に基づいて、パートタイマーなどの方に対し社会保険の制度・加入のメリットなど説明します。その後、保険加入に関する意向を確認します。適切な措置により社会保険の被保険者になった場合、助成してもらえます。
支給額
1事業所につき 19万円です。
※1つの事業所につき1回申請できます。
短時間労働者労働時間延長コース
パートタイマーや派遣労働者の方が、労働時間の処遇改善を図り、新たに社会保険の被保険者となった場合に、助成されます。
支給額
短時間の労働者が労働時間を3時間以上延長して新たに社会保険に適用した場合。
- 1人につき 22万5,000円
手取り収入が減少しないように週所定労働時間を延長するとともに基本給を昇給し新たに社会保険に適用させた場合。
- 1時間以上で2時間、未満の場合 1人 5万5,000円
- 2時間以上で3時間、未満の場合 1人 11万円
※1つの事業所につき申請の上限は45人まで。
上記にある金額は様々なシチュエーションにより金額がことなる場合があります。
また、加算措置という制度もありますので詳しくは、厚生労働省のキャリアアップ助成金パンフレット内の処遇改善支援をご覧ください。
キャリアアップ助成金についての詳細はこちらです。
②雇用関係の時に使える報奨金
事業が大きくなると、人材不足により仕事が回らなくなって既存のスタッフに負担がかかり、即戦力じゃなくてもいいので人材を雇用したいと思う事があるかもしれませんよね。
ここでは、新たにスタッフを雇いたい方に使える報奨金を紹介します。
トライアル雇用
職業経験が不足などで就職困難な求職者を、3か月間トライアル雇用することで、その適正や能力を見極めて、常用雇用へのきっかけを目的とした制度です。
先ほど紹介しましたキャリアアップ助成金とは違い、今後さらに事業を拡大させてスタッフの雇用を検討する時に使える制度です。
トライアル雇用の紹介
トライアル雇用を利用する人はどのような方が対象になるのか紹介します。
トライアル雇用の対象者
職業経験や技能、知識など安定した職業に就くことが困難な求職者です。職業相談などを通じて公共職業安定所長がトライル雇用が必要であると認めた人が対象になります。
- 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している人
- 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている人
- 妊婦、出産、育児を理由に離職して、紹介日の前日時点で、安定した職種についていない期間が1年を超えている人
- 紹介日時点で、ニートやフリーターなどで45歳未満の人
- 紹介日時点で、特別な配慮を要する人
報奨金の支給額
事前に、トライアル雇用求人をハローワークに提出します。
ハローワークの紹介によって、対象者を原則3か月の有期雇用で雇い入れます。
支給額
一定の条件を満たした方
対象者1人に対して:月額最大4万円(最長3か月間)
支給を受けるために事業主に対して必要事項があります。
トライアル雇用報奨金についての詳細はこちらです。
③環境の改善時に使える補助金
優秀な人材がそろったら次は、作業環境を改善し働きやすい環境づくりに力を入れてみませんか?
ここでは、そんなあなたが思い描く理想の環境づくりを実現するための補助金を紹介いたします。
ものづくり補助金
中小企業や小規模事業者などが、取り組む革新的なサービスの開発、生産プロセスを改善して生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度です。
事業する上で、避けて通れないのが国の制度変更です。
働き方改革や被用者保険の拡大、賃上げなど事業主は対応していく必要があります。支出が増えると事業は圧迫されるので、生産プロセス改善やシステム導入などコストダウンを図る必要が出てきます。
ものづくり補助金は、工場向きなのかな?と思うかもしれませんが、サービス業や農業なども採択されています。
また、条件さえ合えば個人事業主も応募可能なのでおススメです。
ものづくり補助金の紹介
ものづくり補助金を申請できる対象者の条件を紹介します。
補助金対象者
- 申請する時点で事業を開始していること
- 企業規模が条件を満たしていること
- 賃金の引き上げ計画を従業員に表明している
コンサルタントはサービス業なので資本金は5,000万円以下、従業員は100人以下が企業規模の条件です。
ものづくり補助金と言っても様々な種類があります。
ここでは、コンサルタント向きと思う補助金を選んで紹介いたします。
ものづくり補助金の種類
おススメは下記の3種類です。
- 通常枠
- 回復賃上げ・雇用拡大枠
- デジタル枠
それぞれ説明いたします。
通常枠
革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービスの提供方法の改善に必要な設備やシステムの投資などを支援してもらえます。
補助金額 | 従業員数5人以下 100万円~750万円 6人~20人 100万円~1,000万円 |
補助金率 | 小規模企業者・小規模事業者は 2/3 |
設備投資 | 単価 50万円以上の設備投資が必要 |
補助対象経費 | 専門家経費・クラウドサービス利用費・外注費_など |
基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定していること。
- 事業計画が必要な期間において、給料支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業計画が必要な期間において事業場内最低賃金を地域別最低賃金+300円以上の水準にする
- 事業計画が必要な期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
回復型賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しい中でも、賃上げや雇用拡大に取り組む事業者が行う、革新的な製品・サービス開発や生産プロセス・サービスの提供方法の改善に必要な設備やシステムの投資などを支援してもらえます。
補助金額 | 従業員数5人以下 100万円~750万円 6人~20人 100万円~1,000万円 |
補助金率 | 2/3 |
設備投資 | 単価 50万円以上の設備投資が必要 |
補助金対象 | 専門家経費・クラウドサービス利用費・外注費_など |
基本要件 + 追加要件
- 事業計画期間において、給料支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業計画期間において事業場内最低賃金を地域別最低賃金+300円以上の水準にする。
- 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
【追加要件】
- 前年度に発生した事業の風所得がゼロであること
- 常時使用する従業員が要ること
- 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点で給料の総支給額と事業場内最低賃金の増加目標を達成する
ものづくり補助金についての詳細はこちらです。
助成金と補助金【申請して給付金を受け取るまでの流れ】
ここでは、気になった助成金と補助金を申請して実際に受け取るまでの流れを紹介します。
ここでは、11段階のステップで紹介いたします。イメージだけでも掴んでいただけると、実際に申請する時役に立つと思います。
ここで紹介する11ステップは大まかな流れで説明してます。具体的な流れについては、それぞれの給付金サイトをご確認ください。
必要なもの | 内容 | |
① 事前準備 | 特になし | 公募要項を熟読して、募集の意図を理解して事業計画書を作成する 申請書の作成と誤字脱字のチェック |
② 申請方法 | ・応募申請書・事業計画書 ・経費明細書・事業要請書 | 助成金や補助金を申請する。 必ず申請するまでには、公募要項を熟読する。 |
③ 審査 | 特になし | 申請内容に沿って審査が行われます。 書類審査が通過した場合、面接審査があります。 |
④ 採択 | 特になし | 事務により、採択または不採択が確定します |
⑤ 交付 | ・実施した内容 ・経費の報告 | 実施した事業の内容や経費の報告が必要です。 |
⑥ 事業実施 | 特になし | 申請した内容で事業を実施します。 事業の途中で、中間審査や監査が入ることもあるそうです。 |
⑦ 実施報告 | ・効果の報告 | どのように給付金を使用して、どんな効果が得られたのか報告する必要があります。(※給付金は後払い制です。) |
⑧ 検査 | ・実績報告書 ・経費エビデンス | 実績報告や経費のエビデンスを提出して、給付金が適切に使用されたのか事務局が検査します。(※補助金のみ) |
⑨ 確定 | ・補助金額確定通知書 ・請求書式 | 適正に行われた場合、金額が決定します(※補助金のみ) |
⑩ 請求 | ・請求書 | 請求書を事務局に提出します。 |
⑪ 入金 | 特になし | 事務局からの振り込みを受け取り完了になります。 |
上記のように、補助金は最後に入金されます。
また、中間報告や途中で審査、監査など入ってくることが多く、適切に資金が使われているか厳しくチェックされます。
助成金と補助金【注意する点について】
助成金と補助金を申請する時に注意する点を紹介します。
助成金と補助金をうまく活用するために5つ紹介します。
上手に活用するためにも注意点を軽視しないようにしましょう。
期日を守りましょう
当たり前のことですが、申請する時は期日を守りましょう。
申請の期日を少しでも過ぎると、条件を満たしていても受給は出来ません。まずは気になる助成金や補助金をチェックして期日までに、必要書類などを前もって準備しましょう。
申請準備には手間がかかります
書類作成などの準備に手間がかかります。特に労働環境や雇用環境に関する制度では、数か月かかるケースもあります。事前準備するためにも計画的に取り組む必要があります。
審査に落ちることがある
しっかりと準備を整えていても、必ず採択されるとは限りません。
特に予算や採択枠数が少ない場合、準備に時間や手間をかけた努力が報われないことは多々あります。
審査に落ちることは珍しいことではないので、受給できなかった場合のプランも考えておく必要があります。
入金までに時間がかかる
助成金や補助金は、原則後払い制です。
先ほど紹介した、「助成金と補助金【申請して給付金を受け取るまでの流れ】」のところにもあるように、すべて実施して完成後に入金されます。
また、入金までに1ヵ月以上かかる制度もあるので、急いでいる場合は適しておりません。
短期でつなぎ資金を利用したい場合は、銀行などの融資と組み合わせることが必要です。
新たな制度の導入が必要になる場合もある
活用する助成金や補助金によって、新たな雇用や人事制度の導入が必要なものもあります。
基本的には従業員の方にとってメリットがありますが、企業側から見ると労力が必要になってくると思います。
一度導入した制度は、簡単に変更できないので、給付金を得るために制度を導入するのではなく、自社に合った制度を導入することが大事です。
その他お役立ち情報
法人化してさらに事業を拡大するために売上UPは必要ですよね。
売上とは客数や客単価、それと購入回数により、売上というのは変わります。
売上UPするってどういうことなのかを詳しく解説しましたので
よろしければ参考にしてください。
まとめ
今回は、個人事業から法人化した時に使える助成金と補助金を紹介しました。
法人化した時になにか使える助成金と補助金を知りたい方。
- キャリアアップ促進に使えるキャリアアップ助成金
- 雇用関係の時に使えるトライアル報奨金
- 環境の改善の時に使えるものづくり補助金
どのようにして助成金と補助金を申請したらよいのか知りたい方。
- 11ステップで大まかな流れを紹介しました。
助成金や補助金を申請したいけど、何か注意する点を知りたい方。
- 期日を守りましょう
- 申請準備には手間がかかります
- 審査に落ちることがある
- 入金までに時間がかかる
- 新たな制度の導入が必要になる場合がある
ここまで読んでいただきありがとうございました。