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成功報酬型のコンサルティング契約と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

菅原

リスクが高いけど、高単価というイメージ?

なかなか成功報酬型の契約を提案するのは躊躇しますよね。

美鈴

この記事では、クライアントに対し、成功報酬型の契約を提案できるよう解説していきます。

成功報酬型のコンサルティング契約とは?

そもそも、成功報酬型のコンサルティング契約とは、どのようなものなのでしょうか。

結論、「クライアントが求めるものを完遂、納品したときに支払われる料金体系での契約」という事になります。

菅原

結果に対して報酬を支払ってもらう契約なんですね!

ここから「成功報酬」について、詳しく説明していきます。

成功報酬は結果に基づいている

成功報酬型のコンサルティング契約の性質上、短期間ですぐに報酬が受け取れるわけではありません。

例えば、ある製品の開発についてコンサルティングで関わるとします。

この場合、成功報酬型のコンサルティング契約の内容は、例えば以下の様になります。

「その製品が、売れた時、売り上げの10%を報酬として受け取る。」

この契約こそが、成功報酬型のコンサルティング契約の代表的なものです。

つまり、成功報酬型のコンサルティング契約は、クライアントが求めるものをしっかりと提案できれば、それに見合った、高い報酬を得られる可能性のある契約体系になります。

成功報酬型の案件とは?

成功報酬型のコンサルティング契約には向き不向きがあることはご存じでしょうか?

ここから、成功報酬型のコンサルティング契約に向いている案件と、向いていない案件について、それぞれ解説をしていきます。

成功報酬型に向いている案件

成功報酬型のコンサルティング契約に向いている案件は、例えば下記のようなものがあります。

  • M&Aコンサルティング;案件が成約し報酬を受け取る
  • 人材紹介;候補者が対象企業に入社した場合に報酬を受け取る
  • ITシステムコンサルタント;システムの入れ替え等に携わり、完遂後に報酬を受け取る

基本的には、成功報酬型のコンサルティング契約の場合、クライアントの要望や課題に対して、コンサルティングに徹し、それらが達成したとき、対価として報酬が支払われます。

菅原

クライアントの会社や組織に大きな変化となる依頼が多いですよね。

だから、それだけ受け取れる報酬も大きいんですね!

美鈴

クライアントのビジネスにも非常に大きなインパクトを与えるので、得られる報酬も大きくなります。

上記に限らず「物」が納品出来たり、「要望」が叶えられるコンサルティングができるのであれば、成功報酬型の提案が向いているといっていいでしょう。

実際に、成功報酬型のコンサルティング契約に向いている案件として、下記のリンクにあるようなものが参考になります。

こちらも是非ご確認ください。

成功報酬型に向いていない案件

一方で、成功報酬型のコンサルティング契約に向いていない案件としてはどんなものがあるでしょうか。

例えば以下のようなものがあります。

  • 営業代行でアポイントを数件獲得する
  • 決められた時間に一定の作業をする

このように、「プロセス(過程)」重視の仕事に対しては、成功報酬型のコンサルティング契約を締結することは難しいでしょう。

ただし、営業代行に関してはアポイント数ではなくて、アポイント後、実際に営業活動をして、「製品の販売実績(売り上げ)の〇〇%を報酬として得る」という契約であれば、成功報酬型の契約と言えるでしょう。

成功報酬のメリットデメリット

成功報酬のメリットとデメリットは気になりますよね。

良い点、悪い点を見極めて、どんなコンサルティング契約であれば成功報酬型の契約に向いているのか解説していきます。

メリット

成功報酬型のコンサルティング契約にはどのようなメリットがるのでしょうか。

例として、以下の様なものが挙げられます。

  • 高い報酬を得られる可能性がある
  • 長期契約などの契約よりも、比較的契約を取りやすい(完遂まで費用発生しないので、心理的ハードルが低い)
  • 結果を出せた時に、クライアントからの信頼度が向上する
  • 完遂後、コンサルタントが高い達成感を得られる可能性が高い

さらに言えば、クライアント側にも「結果が出ない限り、余計なコストを支払わなくてよい」というメリットも発生します。

菅原

双方にメリットがあるんですね!

完遂まで請求無しなので、比較的クライアントにも締結頂きやすい契約なんです!

美鈴

もちろん、メリットもあればデメリットも存在します。ここから、デメリットについても解説していきますね。

デメリット

非常に難しいプロジェクトに携わる可能性も高く、コンサルタントに掛かる負担もそれなりに大きくなることが予想されます。

プロセス(過程)に関しては料金が支払われないことになりますし、完遂できなければ報酬を受け取れないだけでなく「結果を出せなかった」として、クライアントからの信頼も揺らぐ可能性があります。

菅原

失うものは1つじゃないんですね(泣)。

そうならないためにも、準備をしっかりしてリスクを回避しましょう!

美鈴

デメリットをできるだけ回避するためには、例えば以下の様なことをクライアントと事前に打ち合わせすることをお勧めします。

  • 要望の課題は現実的か(人的リソース、クライアントの予算、工数など)
  • コンサルタント自身が持つスキルセットを活かして遂行できる内容か
  • 予め達成が難しいとされる課題の場合、どこまでできれば良いかなど落としどころを決める
  • コンサルタントはスタートからゴールまでの道筋と行動内容を作成し、クライアントにも提示してみる

成功報酬型でコンサルティングの契約を依頼するという事は、クライアントにとって大きな費用が発生しますし、それだけ力を入れているプロジェクトであることが予想されます。

ですので、受け手であるコンサルタントとしても、しっかりと準備をすることだけでなく、そもそも自分が遂行可能かということも見極める必要があります。

そうやって、クライアントとコンサルタント双方のリスクを軽減する努力も必須であることは心に留めておきたいですね。

成果報酬との違い

似ている報酬体系として、「成果報酬」があります。

成功報酬と混同されることも多いですが、成果報酬は成功報酬のように、最終的な結果が出ていなくても報酬が支払われるといったものです。

どちらかというと、「プロセス(過程)」を重視し、「件数」をこなすタイプの仕事に多い契約と言えます。

菅原

アポイント獲得代行(テレアポなど)の仕事を例に考えてみるとわかりやすいです。

つまり、成約にならなくてもアポイントや件数に対して報酬が支払われるという事ですね。

美鈴

成功報酬が売り上げなどの「結果」に対して支払われるのであれば、成果報酬は「1か月で〇件のアポイントを目標として業務に携わる(アポイント後の営業販売は行わない)」などの「プロセス(過程)」に対して支払われるものとして、ご理解いただくとわかりやすいです。

成功報酬の相場

ここからは、実際のコンサルティング契約に基づいて、成功報酬の相場を見ていきましょう。

依頼内容によって異なる

成功報酬型のコンサルティング契約といっても、クライアントの依頼内容や種類によって、契約の形式を変える必要があります。

また、基本的には、依頼内容について「売り上げの何%を報酬にする」など、事前にクライアントと細かく打ち合わせをする必要があります。

例えば、以下の様なコンサルティングの契約における報酬の相場が挙げられます。

  • 大型の事業立ち上げプロジェクトに成功すれば数百万~数千万円
  • 新ITシステムを運用して売り上げた売り上げの数%~数十%
  • 人材紹介が成功した場合は決定者の理論年収の数十%以上

決まった金額の相場があるわけではなく、あくまでもクライアントとの打ち合わせの中で決定させていくイメージを持ちましょう。

クライアントと契約書のやり取りを複数回重ね、きちんと双方が納得した上で進めるべきことです。

ただし、よくあるコンサルティング依頼であれば、既存のコンサルティングサービス会社との比較などで、ある程度の見当がつくので特別な事情がない限り平均からあまりにもかけ離れた価格設定は控えましょう

その他の契約の相場

成功報酬型の契約以外の相場も、簡単に見てみましょう。

  • スポットコンサルティング;数万円/時間~数十万円/時間
  • 長期(年間)契約;数十万円/月~数千万円/月
  • アドバイザリー契約;数万円/月~数百万円/月

上記を見てみると、長期契約を除いて比較的安価なものが多いです。

また、長期契約に関しては、案件獲得までが大変です。そういった意味では、成功報酬型の契約は時間的コストに関して、比較的リーズナブルかもしれません。

クライアントが結果以外に求めること

クライアントは、コンサルタントに依頼した課題を完遂、完成させてもらうことが目的です。

しかし、それらが達成されるまでに、クライアントがコンサルタントに対して求めることはもっとたくさんあります。

ここからは、そういったクライアントからの定性的な要望について紐解いていきます。

必要最低限の条件

クライアントがコンサルタントに求める、結果以外のことに関しては、最低でも以下の様なことを求めています。

  • コミュニケーションが取りやすいか
  • 融通が利くか
  • 企業についての理解があるか
  • プロジェクトメンバーがやり易いように行動できるか

これらのことは、一つ一つがとても重要な要素で、すべてクライアントへの「信頼」に直結するような行動です。

クライアントからの信頼を勝ち取るために、コンサルタントとして心得るべき大切なことですね。

菅原

頼んで良かったと思ってもらえるようなコンサルタントになりたいです!

単発で終わらせないためにも、クライアントと信頼関係を築いていくことが非常に重要です。

プロセス(過程)も大切

成功報酬型のコンサルティング契約に関しては、プロセス(過程)についての費用は発生しません。

しかしながら、仮にクライアントの要望に対して、先方が満足のいく結果が出ずに成功報酬が支払われなかったとしても、その課題に取り組んだコンサルタントが評価され、次の契約に結び付く可能性が非常に高いです。

菅原

成功できなかったのに、そんなことがあるんですか!?

なぜならば、プロセス(過程)があって、初めて結果が出るからです。

そのプロセス(過程)をきっちりこなして、クライアントの目にも「しっかりと仕事をしてくれている」と認識されれば、たとえ結果が出なくてもまた違うプロジェクトの依頼をいただけるケースが多いです。

結果出せれば、全て良しという事ではないんですよ。

美鈴
菅原

なるほど!

ですので、クライアントに「仕事ができるコンサルタントだ!今後もお願いしたい!」と思ってもらえるように努めましょう。

成功報酬型の契約書について

契約に関してはどのようなところに注意すべきでしょうか。

成功報酬型のコンサルティングを行う上で、契約書に盛り込む事項を解説していきます。

また、コンサルティング契約に関する記事はこちらが参考になります。是非ご覧ください。

以下では、契約書の条項に入れる主な項目についてみていきましょう。

特に気を付けるべき項目

契約書を作成するにあたって、入れ込むべき条項としてよくあるものは以下の様なものがあります。

菅原

成功報酬型以外の契約でも共通項目が多いです。

  • 業務の内容・範囲
  • 提供方法
  • 契約期間
  • 報酬
  • 支払い方法
  • 業務上で発生した費用負担
  • 成果物の利用(知的財産権の帰属)
  • 秘密保持
  • 責任制限
  • 再委託の可否
  • 権利義務の譲渡禁止
  • 損害賠償
  • 契約解除
  • 反社会的勢力の排除

特に、成功報酬型のコンサルティングで気を付けるべきなのは「成果物の利用」についての条項が契約書に記載されているかどうかです。

例えば、コンサルタントがクライアントとの契約でプロジェクトに参画し、コンサルタント独自のスキルやノウハウを利用して完遂した場合、コンサルタントはクライアントに対して、「業務内で使用する目的以外で、成果物を利用しないでくださいね。」という注意喚起が重要です。

どこまでどうできるかはクライアントとしっかり打ち合わせをしていきましょう。

美鈴

まとめ

今回の記事では、成功報酬型のコンサルティング契約について、以下の事をご紹介しました。

  • 成功報酬とは達成したときにはじめて報酬が得られる
  • 合う案件/合わない案件がある
  • 達成すれば高報酬とクライアントの信頼を得ることが出来る
  • 達成できなければ報酬はもらえずクライアントの信頼も失いかねない
  • 契約書は適切な条項を入れて、しっかりと作成する

成功報酬型のコンサルティング契約について、しっかりと理解した上で、ここぞという案件に利用してほしいですね!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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