コンサルタントといっても、様々な分野や業界に対応した専門性が求められます。そのため、各タイプに求められるスキルを習得することが重要です。
もし、自身のタイプを見極めなければ、的外れなスキルを習得してしまって仕事に生かすことができないということにもなりかねません。
では、具体的にどのようなコンサルタントのタイプがあるのでしょうか?
そこで、本記事ではコンサルタントのタイプ別に求められるスキル、スキルアップと資格を紹介します。
ぜひ、自身のタイプを見極めたうえで求められるスキルを習得し、効率的にスキルアップをしましょう。
Table of Contents
コンサルタントの各タイプに求められるスキルとは?
コンサルタントという職業は、様々な分野や業界において業務内容や求められるスキル、知識が異なります。
そこで、コンサルタントのタイプを業務内容や社会情勢、活用されるスキルや知識などから、戦略系、総合系、IT系、人事系、その他特化系のタイプに分類し、各タイプの特徴と求められるスキルを紹介します。
なお、コンサルタントのタイプについて、本記事にないタイプについて書かれた記事もあるので気になる方はご覧ください。
戦略系コンサルタント
戦略系コンサルタントとは、顧客の経営戦略やビジネスモデルを設計・提案・実行支援する専門家です。
戦略系コンサルタントの特徴
戦略系コンサルタントの顧客は主に大企業や政府機関であり、高い信頼性と実績が要求されます。各プロジェクトは長期的かつ複雑で規模が大きいため、多くのステークホルダーと調整しながら進めなければなりません。
戦略系コンサルタントに求められるスキル
戦略系コンサルタントに求められるスキルは、経営戦略のデータ分析・設計・実行する能力です。経営戦略のデータ分析・設計・実行する能力とは、以下のものが含まれます。
経営戦略のデータ分析・設計・実行する能力
- 市場や競合の動向を把握し、顧客の強みや弱みを明確にできる
- 顧客の目標や課題に応じて、最適なビジネスモデルや事業ポートフォリオを提案できる
- 提案した戦略を実現するために具体的なアクションプランやKPIを設定し、関係者の責任や役割を明確にできる
- 実行段階ではプロジェクトのしんちょくや成果を定期的にモニタリングし、必要に応じて修正や改善ができる
戦略系コンサルタントは、顧客の目標や課題に対して、最適な解決策を提供するために、これらのスキルを高いレベルで発揮する必要があります。
また、プロジェクトの規模が大きい分だけ責任の重い職種ですが、それだけにやりがいや成長の機会も多いです。ぜひ、自身の能力や志向に合わせて戦略系コンサルタントのキャリアを検討してみましょう。
総合系コンサルタント
総合系コンサルタントとは、顧客の幅広い領域にわたる課題を解決するために活動する専門家です。経営コンサルタントともいいます。
総合系コンサルタントの特徴
戦略系コンサルタントと比べ、顧客は中小企業から大企業まで多岐にわたり、業種や地域も多様です。プロジェクトは短期的かつ具体的であり、実行力やスピードが求められます。
分析や提案には柔軟性や応用力が必要であり、様々なシチュエーションに対応する必要があります。
総合系コンサルタントに求められるスキル
戦略系と違い、総合系コンサルタントに求められるスキルは、幅広い分野の知識と経験を持ち、さまざまな業界や組織の課題に対応できる能力です。
この幅広い分野の知識と経験を持ち、さまざまな業界や組織の課題に対応できる能力とは、例えば以下のようなことができる能力です。
能力の具体例
- マーケティングや販売戦略の策定、実行支援
- 人事や組織開発の支援、変革推進
- ITの導入や活用支援
- 製品開発やイノベーションの促進
- コスト削減や業務効率化の提案、実施支援
- リスクマネジメントやコンプライアンスの強化
このように総合系コンサルタントは、さまざまな分野で顧客の現状分析や目標設定、解決策の提案や実行計画の策定、実施支援や効果測定などを行います。
また、必要に応じて他の専門家と連携し、最適なソリューションを提供することもあるでしょう。総合系コンサルタントは、これらの活動を通じて顧客のビジネスパフォーマンスを向上させることを目指していかなければなりません。
なお、経営コンサルタントの資格やスキルなどより詳しい内容について書かれた記事があります。
IT系コンサルタント
IT系コンサルタントとは、戦略系や総合系とは異なり、情報技術に特化した課題を解決するために活動する専門家です。
IT系コンサルタントは、ITコンサルティング企業や大手コンサルティング企業のIT部門で活躍し、システムの導入やIT戦略、データ分析などのプロジェクトに携わります。
ITコンサルタントはその他特化系コンサルタントに含むこともできますが、近年のDX推進などで需要が高まっているのでここで紹介します。
IT系コンサルタントの特徴
IT系コンサルタントは、戦略系や総合系と異なり、顧客はITを活用したいというニーズが高い企業や組織であり、業種や規模はさまざまです。
プロジェクトはテクニカルな要素が多く、システム開発やデータ分析に関わることがあります。分析や提案には専門性や技術力が必要であり、最新のITトレンドに対応できなければなりません。
IT系コンサルタントに求められるスキル
IT系コンサルタントに求められるスキルは、高度な情報技術に関するものが多いです。
能力の具体例
- 情報技術とビジネスの両側面を理解し、情報技術の導入や活用を支援する能力
- IT技術のトレンドや最新ツール・技術を常に学習し、専門知識を深化させる能力
- ビジネスニーズを理解し、情報技術を活用してビジネス価値を創出する能力
- 顧客のITインフラやシステム環境を明確に把握し、効果的なシステムやソリューションを提案する能力
- 技術的な課題やトラブルに対して柔軟かつ効果的に対処する能力
以上のように、IT系コンサルタントは情報技術に関する高度なスキルを持ち、それらをビジネスに応用できるプロフェッショナルです。
IT系コンサルタントは、顧客の課題解決や価値創造のパートナーとして、常に最適なITソリューションを提供することが求められます。
IT系コンサルタントになる方法について、以下の記事がありますのでより詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
人事系コンサルタント
人事系コンサルタントとは、企業・組織の人事戦略や人材管理など人事に特化した課題を解決する専門家です。
人事系コンサルタントは大手コンサルティング企業や人材サービス企業で活躍しており、携わるプロジェクトには採用・教育・評価・組織開発などがあります。
人事系コンサルタントもIT系と同様にその他特化系に含まれうるが、近年は転職が当たり前の時代と言われ、人材の多様化や働き方改革、M&Aの活発化など人事系コンサルタントの需要が高まっているのでここで紹介します。
人事系コンサルタントの特徴
人事系コンサルタントの顧客は人事戦略や人材開発に投資したいというニーズが高い企業や組織であり、業種や規模はさまざまです。
プロジェクトは人々の行動や意識の変革が関わる場合があり、コミュニケーションや影響力のあるリーダーシップが求められます。分析や提案には人事に関する知識や経験だけでなく、心理学や組織論などの学問的な背景も必要です。
人事系コンサルタントに求められるスキル
人事系コンサルタントに求められるスキルは高度な人事領域に関するものが多いといえます。
能力の具体例
- 人の行動や心理に関する知識を持ち、組織のニーズや問題を洞察する能力
- ビジネスニーズを理解し、人材戦略や人材開発計画を策定する能力
- 分析やデータ活用に基づいて人事課題を解決する能力
- 組織の文化や価値観を理解し、組織改革や人材戦略の導入を支援する能力
以上のように、人事系コンサルタントは、人事領域に関する専門的な知識やスキルだけでなく、ビジネスや組織に関する幅広い視野と理解力も必要とされます。
これらのスキルは、人事系コンサルタントが顧客の組織や人材に対して最適なソリューションを提供するために欠かせないものといえます。人事系コンサルタントの詳しい仕事内容等については、以下の記事が参考になります。
その他特化系コンサルタント
その他特化系コンサルタントとは、特定の業界やテーマに特化した課題を解決するために活動する専門家です。その他特化系コンサルタントには、以下のような分野があります。
なお、各コンサルタントの仕事内容や必要な資格・スキルなどについては、詳しい記事を紹介しておりますので気になる記事があればぜひご覧ください。
医療コンサルタント
医療機関や製薬企業の経営や業務改善に関するアドバイスを行う専門家です。医療政策や健康経済の分析なども含まれます。
PRコンサルタント
企業や団体のイメージや評判を向上させるために、メディアやステークホルダーとの関係構築やコミュニケーション戦略に関するアドバイスを行う専門家です。危機管理やCSRなども含まれます。
製造業コンサルタント
製造業の生産性や品質、コストなどを改善するために製造プロセスや工場設計、供給チェーンなどに関するアドバイスを行う専門家です。リーン生産や工場自動化なども含まれます。
ホテルコンサルタント
ホテルや旅館などの宿泊施設の経営や運営に関するアドバイスを行う専門家です。市場分析や競合調査、収益管理やサービス向上なども含まれます。
その他にもさまざまな特化系コンサルタントが存在します。以下に記事を紹介しておりますので参考にしてください。
コンサルタントに共通して求められるスキル
以上、各タイプについて紹介しましたが、コンサルタント全般に求められる基礎スキルがあります。そのスキルとは、以下の3つです。
コンサルタントの基礎スキル
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
- プロジェクトマネジメント力
基礎スキル①:論理的思考力
論理的思考力は、顧客の課題を分析し、解決策を提案するために必要なスキルです。コンサルタントには、データや事実に基づいて問題を明確に定義し、仮説を立て、検証し、結論を導くことができる能力が求められます。
また、複雑な問題を単純化し、わかりやすく説明することも重要です。
基礎スキル①:コミュニケーション力
コミュニケーション力は、顧客やチームメンバーと効果的に情報交換するために必要なスキルです。コンサルタントには、聞く力、話す力、書く力の3つのスキルをバランスよく持つことが求められます。
まず、聞く力とは顧客のニーズやフィードバックを正確に理解できることです。次に、話す力とは自分の意見や提案を説得力のある表現で伝えることをいいます。
そして、書く力とはレポートやプレゼン資料などを明瞭かつ簡潔に作成できることを意味します。
基礎スキル③:プロジェクトマネジメント力
プロジェクトマネジメント力とは、コンサルティングプロジェクトを円滑に進めるために必要なスキルです。コンサルタントは、複数のプロジェクトを同時に管理し、成果物の品質や納期を管理する必要があります。
プロジェクトマネジメント力には、計画性や組織力、タスク管理能力、リスク管理能力などが含まれます。さらに、チームとの協力やリーダーシップ力も欠かせません。
以上の3つのスキルは、コンサルタントに共通して求められる基礎スキルです。これらのスキルは、学習や経験を積み重ねることでよりレベルアップすることができます。ぜひ、これらの基本スキルの向上も怠らないようにしましょう。
コンサルタントのタイプ別スキルアップ方法
では、各タイプのスキルアップはどうすればいいでしょうか?
最初に思い浮かぶのは、各タイプ専門のコンサルティング企業に入社して実務経験を積む方法でしょうね。この方法は、どのタイプでも効果的ですね。
ここでは、各タイプのスキルアップ方法について紹介します。ぜひ、自身のタイプに照らし合わせ、効率的にスキルアップしていきましょう。
戦略系のスキルアップ方法
戦略系コンサルタントに求められるスキルは、経営戦略のデータ分析・設計・実行する能力です。この能力のスキルアップには、以下の3つの方法が有効です。
実践的な学習
実践的な学習とは、実際のプロジェクトやケーススタディに取り組むことでデータの収集・分析、戦略の設計・実行のプロセス、ツールの使い方を学習します。
具体例
- 自身が所属するチームや部署のプロジェクトに参加したり、社内外のセミナーやワークショップに参加する
- 先輩や同僚からフィードバックやアドバイスをもらうことで、自身の弱点や改善点を見つける
実践的な学習は、実際のビジネスシーンに近い状況でスキルを磨くことができるので効果的な方法といえます。
理論的な学習
理論的な学習とは、書籍やオンラインコースなどの教材を利用してデータの収集・分析、戦略の設計・実行に関する理論や知識を学ぶことです。
具体例
- 戦略系コンサルタントの入門書や参考書を読んだり、ビジネススクールやオンライン教育プラットフォームでコースを受講する
- ビジネスのトレンドや事例を積極的に収集・分析することで、市場や顧客のニーズに対する感覚、洞察力を養う
理論的な学習は、スキルの基礎を理解するために必要なことなので継続して学習しましょう。
創造的な学習
創造的な学習とは、自分で新しい問題や課題を設定してデータを収集・分析し、戦略の設計・実行に挑戦してみることです。
具体例
- 自分の興味や関心のあるテーマ・業界について調べたり、自分ならどんな戦略を考えるか試す
- 他の分野・業界の知識やアイデアを取り入れて、オリジナルの戦略を考える
創造的な学習は、スキルの応用力や発想力を高めることができるので自身の力を試す場合に最適です。
以上の3つの学習をバランスよく行うことで、経営戦略のデータ分析・設計・実行する能力のスキルアップが効率的にできるので、ぜひ試してみてください。
総合系のスキルアップ方法
総合系コンサルタントに求められるスキルとは、幅広い分野の知識と経験を持ち、さまざまな業界や組織の課題に対応できる能力です。この能力のスキルアップには、二つの方法が考えられます。
方法①:自分が関わるプロジェクトから学ぶ
一つの方法は、自分が関わるプロジェクトにおいて常に新しい知識やスキルを学び取ることです。
各プロジェクトで学ぶ方法
- マーケティングや販売戦略では、最新の市場動向や消費者ニーズを調査し、競合他社の分析やベストプラクティスを学ぶ
- 人事や組織開発では、人材育成や組織文化の改善につながる施策を考えたり、変革管理の方法論を学ぶ
- ITやデジタル化では、最新テクノロジーを顧客のビジネスプロセスや業務フローに適用したり、データ分析・可視化ツールを使う
総合系コンサルタントの特徴は、あらゆる分野・業界のプロジェクトに関わることができることです。このような貴重な機会を活用できなければ、自身の成長の機会を逃してしまいます。
したがって、自身が関与するプロジェクトから積極的に学び、より高いレベルの専門知識やスキルを身につけることが、総合系コンサルタントのスキルアップ方法として最も効率的といえます。
方法②:自分以外の人から学ぶ
もう一つの方法は、自分以外の人から学ぶことです。総合系コンサルタントは、多様なステークホルダーと関わる機会が多くあります。例えば、顧客やその関係者、他のコンサルタントや専門家、自社の上司や同僚などです。
自分以外の人から学ぶ方法
- 顧客やその関係者からは、業界や組織の現状や課題、ニーズや期待などを聞く
- 他のコンサルタントや専門家からは、解決策や手法、ツールなどを学ぶ
- 自社の上司や同僚からは、フィードバックやアドバイスなどを受ける
これらの人々は、自分とは異なる知識や経験、視点や考え方を持っています。そのため、彼らから学ぶことで自分の知識やスキルを補完したり、自分の視野や思考を広げることができます。
ぜひこれらの方法を通じて、総合系コンサルタントとしての成長と成功につなげましょう。
IT系のスキルアップ方法
IT系コンサルタントに特に求められるスキルは、高度な情報技術に関するものが多いことは前述したとおりです。そのスキルアップの方法は、以下のようなものが考えられます。
情報技術等のスキルアップ方法
- IT関連の資格を取得する
- システム開発やデータ分析などのスキルを磨くために、関連する科目を学ぶ
- 個別のプロジェクトや研究課題に取り組み、実践的な経験を積む
- IT系コンサルタントのコミュニティやネットワークに参加し、情報交換やプロフェッショナルなつながりを築く
IT系コンサルタントは、情報技術の進化が速い分野で活躍するため、常に最新の知識やスキルを継続的に学習する必要があります。また、クライアントのニーズや要件に柔軟に対応しなければなりません。
自分の興味や能力、目標に合わせて、IT系コンサルタントのキャリアを検討しましょう。
人事系のスキルアップ方法
人事系コンサルタントに特に求められるスキルは、人事領域に関する専門的な知識やスキルだけでなく、ビジネスや組織に関する幅広い視野と理解力も必要であることは前述しました。
これらのスキルアップの方法としては、以下のものが考えられます。
人事領域に関する専門知識等のスキルアップ方法
- 人事管理や労務関連の資格や認定を取得する
- 組織心理学や行動経済学などの関連分野の知識を学ぶ
- 人事系コンサルティングに関する書籍やセミナー、研修などを活用してスキルや知識を磨く
- 人事系コンサルタントのコミュニティやネットワークに積極的に参加し、情報交換やフィードバックを得る
他のタイプと比べ人事系コンサルタントには高い人間力が求められますが、一朝一夕に身につくものではありません。日々の努力と継続的な学習によって高めていくことができます。
人事系コンサルタントとして成長したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンサルタントの各タイプにおすすめの資格
コンサルタントになるためには必ずしも特定の資格が必要というわけではありませんが、資格を持っていると自分の専門性や顧客の信頼が高まります。また、資格取得に向けて勉強することで知識を深めることもできます。
ここでは、各タイプのコンサルタントにおすすめの資格を紹介します。資格については、以下の記事も参考になるのでご覧ください。
戦略系におすすめの資格
戦略系コンサルタントにおすすめの資格としては、MBAがあります。MBAとは、Master of Business Administrationの略です。経営学修士の学位であり、戦略コンサルティング業界で高く評価される資格です。
戦略系コンサルタントは、企業や顧客の戦略的課題やビジネス問題に対して専門的なアドバイスを提供する役割を果たします。MBAプログラムでは、その企業戦略の理論と実践に関する知識を深めることができます。
MBAプログラムの具体例
- 経済学、経営戦略、市場調査、競争戦略、戦略的意思決定、新規事業開発などの戦略に関する幅広い知識
- チームワーク、リーダーシップ、プレゼンテーション、コミュニケーションなどのビジネススキル
ビジネススキルは、戦略コンサルタントが顧客との関係構築やプロジェクトの成功において重要な役割を果たします。
MBA取得のメリットとしては、多くの大手コンサルティング企業が戦略コンサルティングのポジションにMBAを要求していること、MBA取得者はコンサルティング以外の企業でのキャリアにおいても優位性を持つことです。
ただし、MBAプログラムは費用や時間を要するため、慎重に考慮する必要があります。実務経験や専門分野への深い知識も必要であることも忘れてはいけません。
したがって、個々のキャリア目標や状況に合わせて、MBAを含む継続的な学習プランを構築することをおすすめします。
総合系におすすめの資格
総合系コンサルタントにおすすめの資格としては、公認会計士と中小企業診断士が挙げられます。
公認会計士
公認会計士の資格は、財務分析や財務報告、監査といった会計業務において専門知識と技術を持つことを証明するものです。
総合系コンサルタントは、企業の財務データの分析や財務戦略の立案、会計プロセスの改善など、財務面でのアドバイスを行うことがあります。
公認会計士の資格を得ることで、企業の財務分析や戦略立案において高い信頼性と専門性を発揮できます。公認会計士資格の取得について以下に詳しい解説の記事を紹介します。
参考:公認会計士・監査審査会
中小企業診断士
中小企業診断士の資格は、中小企業の経営改善や事業再生などを支援する専門家としての資格です。総合系コンサルタントは、企業の現状分析や経営戦略の策定、業績改善のアドバイスなど幅広い経営課題に取り組みます。
中小企業診断士の資格を取得することで、中小企業の経営改善において高い専門性と幅広い知識を提供できます。なお、中小企業診断士の資格取得から独立開業を紹介する記事があるので、参考にしてください。
両資格はともに、問題解決能力やコミュニケーション能力、分析力、プロジェクトマネジメント能力などが求められる総合系コンサルタントにとって非常に役立つ資格です。
ただし、資格を取得するためには一定の試験合格や実務経験が必要となるため、それらの条件を満たすことを念頭に置いて検討しましょう。
IT系におすすめの資格
IT系コンサルタントにおすすめの資格は、IPAの情報処理技術者とITILです。
IPAの情報処理技術者
IPAとは、独立行政法人情報処理推進機構 (IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)です。情報処理技術者試験は日本の国家試験であり、情報処理技術の専門知識やスキルを評価するための資格です。
情報技術者試験の合格は、IT関連の専門知識やスキルを証明するため、IT系コンサルタントの信頼性と専門性を高めるのに役立つでしょう。
この試験は、ITの各分野における基礎から応用の知識・スキルまでを幅広くカバーしており、以下のような試験区分があります。
試験区分
- 基本的な知識・技能を問う基本情報技術者試験
- 応用的な知識・技能を問う応用情報技術者試験
- 高度な知識・技能を問うITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験など
以上が、IPAの情報処理技術者試験の主な試験区分です。興味のある方はIPAの公式サイトで確認してください。
ITIL
ITILとは、Information Technology Infrastructure Libraryの略です。ITサービスマネジメントの国際的なフレームワークとして広く使われています。
ITILで学べる事
- サービスデザインやサービス移行、サービスオペレーション、サービス戦略など
ITIL資格を取得することで、ITサービスの計画・調整や改善の手法やプロセスを習得できます。したがって、IT系コンサルタントにとって非常に有益であり、キャリアアップにも役立つでしょう。
IT系コンサルタントは、ITサービスの戦略立案や設計、運用プロセスの改善などITILのフレームワークを活用することでより効果的なITサービスを提供できます。
他にもセキュリティ(CISSP)など、IT業界に関連する様々な資格が存在しますので、自身のキャリア目標や専門分野、顧客のニーズに合わせて適切な資格を選択しましょう。
人事系におすすめの資格
人事系コンサルタントにおすすめの資格としては、国家資格キャリアコンサルタントと社会保険労務士があります。
国家資格キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、個人のキャリア開発や職業適性の評価をサポートする専門家です。
そして、国家資格キャリアコンサルタントとは、キャリアプランニングや職業指導、転職支援、面接対策などのスキルや知識を持つことを証明する資格です。
人事系コンサルタントは、採用プロセスにおいて個人のキャリアに関するアドバイスや評価を行うことがあります。
人事系コンサルタントが国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得することで、キャリア開発やキャリアプランニングにおいて高い専門性を生かして個人の成長とキャリアアップをサポートできます。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労働法や社会保険制度に関する専門知識を持つ資格です。人事系コンサルタントは、企業の労働情報や労働条件の評価、労働契約の策定など、労働に関連する問題に対してアドバイスを行うことがあります。
社会保険労務士の資格を持つことで、労働法や社会保険制度に関する深い理解を生かして従業員と企業の関係性における法的要件やベストプラクティスに基づいたアドバイスを提供できます。
両資格は、人事系コンサルタントにとって有用であり、スキルやキャリアの向上に役立ちます。ただし、これらも資格取得には一定の試験や実務経験が必要となります。
それらの条件を満たしているか確認した上で、自身のキャリア目標や専門分野に合わせて適切な資格を選択しましょう。
まとめ
この記事では、コンサルタントのタイプ別に求められるスキル、スキルアップと資格について以下のことを紹介しました。
- コンサルタントのタイプを戦略系、総合系、IT系、人事系、その他特化系に分類することで、各タイプの特徴と求められるスキルがわかる
- コンサルタントの各タイプに応じたスキルアップ方法を実践することで、効率的にスキルアップができる
- 「コンサルタントの各タイプにおすすめの資格を取得することで、自身の専門性と顧客の信頼を獲得できる
ぜひ、自身のタイプに求められるスキルを見極めたうえで、効率的にスキルアップしましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。